大学で民俗学を学ぶ堤春奈は、卒業論文で十数年来、ネットで現代版”神隠し”と話題になっている都市伝説「きさらぎ駅」を題材に取り上げることにした。リサーチの結果、「きさらぎ駅」の原点となった書き込みの投稿者『はすみ』ではないかとされる葉山純子という女性の存在を知る。ようやく純子への連絡先を知り、純子と会う約束を取り付ける。指定された場所は「きさらぎ駅」の舞台となった路線にある一軒家。部屋へ案内され、早速、ネットで噂される『はすみ』本人との真偽を確かめる春奈に対し、純子はどこか謎めいた笑いを浮かべる。続けて、純子から「きさらぎ駅」へたどり着いた経緯、その後の出来事などを聞く。純子と別れた春奈は自然に「きさらぎ駅」の舞台となった遠州鉄道の駅へ向かう。この選択が、春奈の運命を大きく狂わせることになっていく。
映画『きさらぎ駅』は、匿名掲示板「2ちゃんねる」の投稿からネット上の都市伝説となった「きさらぎ駅」をモチーフにしたホラー映画。発端となる投稿では、2004年1月8日、「はすみ」と名乗る女性がこの世に存在しない「きさらぎ駅」という異世界駅に辿り着いた体験が綴られており、リアルタイムで様々な怪異に襲われる書き込みが行われていた。しかし、突然書き込みが止まると「はすみ」は二度と掲示板に姿を現さなかった。一連の書き込みの真偽についてネット上で議論を呼び、現代版「神隠し」と呼ばれるほどの話題となった。
映画『きさらぎ駅』では「ファースト・パーソン・シューティング」といわれる本人視点からの映像と、「リアルタイムアタック」という要素をかけ合わせ没入感のある映像世界で「きさらぎ駅」の物語を表現。また、予想斜め上のどんでん返しも話題を呼んだ。監督は永江二朗。