ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)は、2023-24年秋冬コレクションを、2023年3月14日(火)にTOKYO FMホールにて発表した。
"FINAL HOMME 2"をテーマに掲げた今季。目を引いたのは、数珠や鯨幕、死装束など日本の弔事を思わせるディテール。端正なテーラードスタイルには数珠モチーフのネクタイや、遺影を思わせるリボンタイ、紋を配した黒のタイを組み合わせ、シャツの前立てには黒と白の縞模様を落とし込んだ。
また、この世を去った人が纏う白装束のように、身体に添う真っ白なシャツ地のジャンプスーツや、フリンジを散りばめるようにして配した黒のセットアップなども登場。死と弔いの風習、そして儀礼にまつわる象徴的な記号をデザインに落とし込むことで、人々の共有する精神性を浮き彫りにしている。
特徴的なウエスト周りのデザインにも注目したい。ボトムスを2枚重ね履きしているかのようにウエストのパーツを2つ配したパンツや、ふんどしを彷彿させるパーツを腰周りに配したシャツ、カマーベルト風のボディバッグなどが披露された。
ボトムスのフロントにダイナミックなカットアウトを施し、カマーバンドを合わせたスタイルや、ガーターベルトのようなウエストパーツを合わせたスタイリングなど、フェティッシュな表現が凛としたテーラードスタイルにエッジを効かせている。
緩やかさやフォルムの強調を取り入れつつも、テーラードを基盤に、優雅なシルエットを構築。ショルダーを大きくとり、首から肩にかけてのフォルムを誇張したテーラードジャケットや、襟に分量を持たせた中綿コートは身体の骨格を拡張したかのような造形が印象的だ。また、しなやかな落ち感の生地で仕立てたテーパードパンツやダメージジーンズ、ワイドカーゴパンツなどは、いずれも生地を贅沢に使うことで流れるようなドレープを生み出していた。
喪服の黒を基調としたコレクションにカラフルなアクセントを添えたのは、貨幣をモチーフにしたジュエリーを手がけるブランドのコウタ オクダ(KOTA OKUDA)とコラボレーションしたピース。紙幣に描かれる偉人の肖像がフロントを飾るニットや、色とりどりの紙幣が一面を埋め尽くすようなシャツ、ネクタイが登場した。また、三陽山長(Sanyo Yamacho)のシューズもランウェイに登場している。