映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』のタケミチこと花垣武道役・北村匠海、松野千冬役・高杉真宙にインタビュー。
2017年に「週刊少年マガジン」で連載がスタートした、和久井健のコミックス『東京卍リベンジャーズ』。ヘタレ男子のタケミチが未来を変えようとタイムリープし、関東最凶の不良軍団・東京卍曾と共に“人生のリベンジ”に挑んでいくこの物語は、連載されるやいなや瞬く間に人気を獲得。2021年には北村匠海、山田裕貴、吉沢亮をはじめ、豪華な若手俳優陣が集結し、『東京リベンジャーズ』として実写映画化された。
そんな『東京リベンジャーズ』の続編が前後編2部作で公開へ。今回は『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』でバディ関係を演じたタケミチ役の北村匠海と松野千冬役の高杉真宙にインタビューを実施。2人が作品にかける熱い想いとは?
人気を博した前作に続く『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』。北村さんは続編の製作を熱望されていたとか?
北村:はい。僕は若い世代の代表的な作品を作るという目標があって。『東京リベンジャーズ』はその可能性を秘めていると思いました。次に進むことに大きな意味があるし、だから、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』の製作が決まった時は純粋に嬉しかったです。
高杉さんは『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』から参加されました。
高杉:すでに出来上がっている作品だったので、その中に入っていくことに緊張しましたね。でも、そんな心配が吹き飛ぶほど現場は歓迎ムードでいっぱいでした!
北村:そうだったね。前作から1人も欠けることなくやるというのが2作目を作る上での絶対条件だった中で、同じメンバーが揃って、新しいメンバーも集まってくれたのが『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』。だから僕ら続投メンバーにはウェルカムな気持ちしかありませんでした。
しかも初参加のメンバーは色々想いを持ってきてくれているのを感じて、そこに対して改めて作品の話をすることはなく、とにかくみんなで芝居することを楽しみにしていました。元々知っている仲間が集まって、この作品を通して世代間の繋がりがさらに広がって、本当に嬉しいことばかりの現場でしたね。
そんな『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』に出演するにあたり、役作りで心掛けたことは?
北村:自分の中でのタケミチは1作目の時で掴めていたので、役作りという面では正直特別な事をしていません。
ただ、そもそも僕は『東京リベンジャーズ』という作品が好きで、映画化の話をもらう前から原作を読んでいました。涙や生死に関わる役との縁が多かった自分にとってタケミチは感情移入できるポイントがたくさんあり、シンパシーみたいなものを感じていました。だから、演じるならタケミチがいいと思っていたほど、思い入れのある役でした。
しかも1作目は、吉沢亮君と同じ映画の撮影をしている時に同時に話が来て、お互いがやるならやろうという話になり、「ドラケンは山田君が良いと思っているんだよね」という亮君のアプローチがあって……と、まさに「東京卍會」のような信頼し合える友人同士の繋がりもあって、役作りに関しては猪突猛進するしかないという気持ちでやっていた記憶があります。
高杉:僕も原作は読んでいましたが、最初は思うように千冬というキャラクターを掴めず、苦戦しました。匠海君と永山さんの3人で本読み(※)した時も僕の千冬だけチグハグで、監督から1つ1つアドバイスをもらっていたほど。でも現場に入った時に「気合いが足りてない」と監督から言われたことをきっかけに、場地さんに対してまっすぐな千冬の気持ちをすんなりとのせることができて。それ以降は “気合い”という言葉をとにかく大事にしながら、演じていましたね。
※脚本をセリフのような調子で読み合うこと。
お2人が演じたキャラクターは『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』でバディを組み、同じ目標に向かって奮闘していきます。タケミチにとっての千冬、千冬にとってのタケミチはどのような存在だったのでしょう?
北村:『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』において、タケミチにとっての千冬はちょっと生意気な言い方になっちゃいますけど、“自分よりおバカなやつがいる““自分よりも単純で、いいやつ”って事だと思います(笑)。
今回は序章で、原作では『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』で描かれる決戦をきっかけに2人のバディ感がさらに強まっていきます。2人は似たような人間ですが、僕が演じたタケミチは未来からタイムリープしてきている20代なので、千冬の横にいても少し大人に見えるように意識しながら演じていました。
高杉:千冬にとってのタケミチは、目標というものが明確にある心強い相棒。東京卍會の敵である芭流覇羅から場地さんを取り戻すという難題に対して、千冬は心細い部分があったと思いますが、一緒に立ち向かえるタケミチという相棒ができたことは彼にとって大きな心の支えになったと思います。
お2人の俳優人生にもそのようなバディはいますか?
北村:俳優仲間の一人に大切なバディがいます。その人とは、今よりも若くて尖っていた時に出会ってから、本当に色々なことを一緒に経験してきました。親友と言われたら真っ先にその人の名前を挙げるほど、役者としても、人としても大事な存在。それこそ、いつか大きな作品で、バディとして出演できたら良いなと思っています。
高杉:僕にとってのバディは清水尋也かな。彼が中学生の時からずっと縁があって、作品で一緒になる度に近況報告とか色んな話をしています。いつも一緒に仕事をしたいなって思わせてくれる存在です。
『東京リベンジャーズ』は過去にタイムリープして未来を変えるというお話ですが、お2人が過去に戻れるとしたら、いつに戻って何を変えたいですか?
北村:実はあんまりリベンジしたいことがないんですよね。生きる上でのモットーとして“明日死ぬかもしれないと思って生きる”という言葉はよく聞きますが、僕の場合はそれがもっと短くて、3分後とか10分後に急に心臓が止まって倒れるかもしれないと思って生きています。
常日頃、本当にやりたいことを考えながら生きているので、これまでの人生においても大きな後悔はないんですよね。ただ8歳の時からこの世界に入っているので、もし別の道に進んでいたらどうなっていたのかなっていうのは気になるかな。
高杉:同じですね。僕には弟が2人いるのですが、仕事の関係で早く上京してしまったので、彼らがどんな風に生きてきたのかも話で聞くことしかできなかった。だから、家族と一緒に過ごす人生も歩んでみたかったなと思います。
劇中では「一人一人がみんなのために命を張れる」という東京卍會に関するセリフが印象的でした。最後に、命を張れるほど大事なものを教えてください。
高杉:命を張れるか……。やっぱり、作品に対しては命をかけても良いと思ってやっていますね。スタッフさんも他のキャストもそうだと思いますが、みんな作品のために時間と魂を削りながら作っているので、そこに対しては命をかけても良い、と。もちろん、家族や仲間も命をかけられるほど大切な存在ですけれどね。でも、いざという時には自分の命が一番になるかもしれません(笑)。
北村:自分の命も大事よ(笑)。
僕は『東京リベンジャーズ』の仲間も含めて、やっぱり友達のことは大切にしたいですね。常に助けになる存在でありたい。仲間のためならどうなってもいいやと思えるほど、素敵な人たちと出会ってきたなと思います。そういう意味では、8歳の頃に戻って違う人生を生きなくても良いぐらい、仲間たちは僕にとって大きな財産。だからそんな仲間たちと一緒に、仲間のためにぶつかり合って大切にしあう『東京リベンジャーズ』という作品は出るべくして出られたのかもしれません。
【作品詳細】
前編:映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』
公開時期:2023年4月21日(金)
後編:映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』
公開時期:2023年6月30日(金)
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』KC)
監督:英勉
脚本:髙橋泉
出演:北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、永山絢斗、村上虹郎、高杉真宙、間宮祥太朗、吉沢亮
配給:ワーナー・ブラザース映画
©和久井健/講談社
©2023 映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会