ジャン=リュック・ゴダールの作家人生を紐解くドキュメンタリー映画『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』が2023年9月22日(金)より全国で順次公開される。
ジャン=リュック・ゴダールは、フランス映画界で革新的なヌーヴェル・ヴァーグを先導し、20世紀で最も重要な映画作家の一人と称された人物だ。映画批評家として出発したゴダールは、数本の短編を撮ったのち、1960年に『勝手にしやがれ』で長編デビュー。
1960年代は『女は女である』『女と男のいる舗道』などアンナ・カリーナを起用した作品を発表し、1965年にはヌーヴェル・ヴァーグの最高傑作と評される『気狂いピエロ』を製作した。91年の生涯で製作した映画の本数は140本以上にもなる。
映画『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』は、そんなゴダールが、2022年9月13日に自らこの世を去る直前に第79回ヴェネツィア国際映画祭のノンフィクション・クラシック部門で上映された作品。彼の謎に包まれた作家人生を紐解くドキュメンタリーだ。
監督・編集を務めたのは、ドキュメンタリーの編集を数多く手掛けてきたフランスの映画監督シリル・ルティ。本編には、『勝手にしやがれ』『女と男のいる舗道』『気狂いピエロ』『彼女について私が知っている二、三の出来事』『中国女』をはじめ、「ジガ・ヴェルトフ集団」時代から『ゴダールの映画史』まで多彩なゴダール作品が登場する。
「ヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手として、時代を熱狂させた1960年代にはじまり、その華々しさに自ら背を向けるようにして突進した、68年の五月革命を起点とする政治の季節、70年代の内省と再生。そしてキャリアの劇的な復活を遂げた80年代と、ゴダールの功績の数々を網羅的に紹介する。ゴダールの活動の全貌をとらえると同時に、ゴダール作品に初めて触れる人にとってもわかりやすい内容となっているため“ゴダール入門”としても楽しめる。
また、家族や友人、元パートナーたちによる証言をはじめ、女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイやハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家ティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューも収録。貴重な映像によって、伝説の作家ジャン=リュック・ゴダールの素顔を辿っていく。
なお、ゴダールに関するドキュメンタリー『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』と、『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』といったゴダール関連作品も続々と公開されている。あわせて要チェックだ。
【作品詳細】
ドキュメンタリー映画『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』
公開日:2023年9月22日(金)~新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:シリル・ルティ
出演:マーシャ・メリル、ティエリー・ジュス、アラン・ベルガラ、マリナ・ヴラディ、ロマン・グーピル、ダヴィッド・ファルー 、ジュリー・デルピー、ダニエル・コーン=ベンディット、ジェラール・マルタン、ナタリー・バイ、ハンナ・シグラ、ドミニク・パイーニ
配給:ミモザフィルムズ