ドキュメンタリー映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が、2023年9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマカリテほか全国で順次公開される。
映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』は、世界的ファッションデザイナー、ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)の半生を描いたミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』の裏側に密着したドキュメンタリー作品だ。
『ファッション・フリーク・ショー』は、世界的セレブまでをも虜にした、豪華絢爛なファッション、音楽、ダンスが融合したミュージカル。2018年のパリ公演を皮切りに、2023年5月から6月にかけては日本公演も開催され、全世界で35万人もの観客を動員した。映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』では、実に2年もの歳月をかけて魅惑的なショーの舞台裏に密着し、熱狂のステージの背景を浮き彫りにしていく。
注目は、マドンナの「コーンブラ」を手がけたことでも知られる、ゴルチエ自身が担当した衣装デザイン。登場する衣装の数は200点以上にのぼるという。舞台衣装だけでなく、ピーター・グリーナウェイ監督の『コックと泥棒、その妻と愛人』や、リュック・ベッソン監督の『フィフス・エレメント』などにも参加し、映画衣装の分野でも数々の映画に貢献してきた、ゴルチエならではのユニークなデザインは必見だ。
また、 豪華絢爛なオートクチュールに加え、1970〜80年代を彩ったヒットナンバーなど、トップデザイナー・ゴルチエが見せる数々のこだわりも魅力。ミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』の裏側で渦巻く、本番に至るまでの創造の喧騒が映し出されている。
ミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』の製作にまつわる、ゴルチエのコメントを紹介。幼少期から舞台に関心を抱き、「ランウェイショーがなかったらファッションの世界に入ることはなかったかもしれない」と語るゴルチエにとって、ファッションなどを取り入れたショーは、自然と思い浮かぶ発想であったという──
「今回のショーはファッションの仕事とは全く異なるクリエーションだった。台本やナレーションが必要だという声もあったけど、台本は作らなかったし、ナレーターも使わなかった。自分なりのやり方でやったんだ。あとは僕の人生の物語以上のものを伝えるために、視覚的に劇的な光景を描いた。このショーはファッションやデザインを裏方から経験してきた僕の旅といえるだろうし、それはジャケットの裏地のように表側と同じくらい美しいんだよ。」
マドンナやレディー・ガガといった大スターの衣装、そして映画衣装などをも手がけてきたゴルチエ。こうした仕事ではスターや監督の要求に応えるものの、「今回のショーは違うね」と語る──
「これは僕自身のためのショーであり、僕が唯一の責任者だった。自らを物語るクチュリエという、本来の自分に立ち戻ることができたんだ。」
自分自身のためのショーではありながら、「これまでのファッションショーと同じように、僕は何よりもまず裏方に徹するつもり」だと語るゴルチエ。映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』は、そんなショー製作に光をあてるものとなる。
映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』では、ファッションアイコンとして君臨し続けるマドンナをはじめ、フランスの名優カトリーヌ・ドヌーヴやマリオン・コティヤール、アルモドバル監督作の常連俳優ロッシ・デ・パルマ、ディスコ&ファンクミュージックの巨匠ナイル・ロジャースらが出演しているのも見どころだ。
監督を務めるのはヤン・レノレ。これまでフランスの柔道家テディ・リネールのドキュメンタリーや、ネットフリックスで配信されたエマニュエル・マクロン仏大統領のドキュメンタリーなどを手がけてきた。