坂本龍一のドキュメンタリー映画『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が、2026年に『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』4K レストア版として劇場公開される。
音楽家として比類なき作品の数々を残し、2023年3月28日に逝去した坂本龍一。2025年3月30日(日)まで行われている大規模展覧会「坂本龍一|音を視る 時を聴く」は、連日⻑蛇の列ができるほどの盛況ぶりで、今もなお、国内外問わず多くの人々を虜にし続けている。
1985年に公開された『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』は、マルチメディアアーティストのエリザベス・レナードによって、1984年5月にわずか1週間という短い期間で撮影された幻のドキュメンタリー映画だ。日本では1985年6月に行われた「第1回東京国際映画祭」でのみ上映されており、その後2001年に発売されたVHSとDVDも入手困難なソフトに。今回、地下の倉庫に眠っていたという16mmフィルムが掘り起こされたことで、修復を経てついにデジタル化が実現した。
本作が撮影されたのは、坂本がソロアルバム『音楽図鑑』制作に着手したばかりの時期で、当時30代の坂本が自身の生い立ちや価値観、音楽哲学、現代文化について語る姿が収められている。また、1988年公開の『ラストエンペラー』の劇伴制作に取り組む貴重な様子も見られるほか、坂本が音楽を担当し準主演した大島渚監督『戦場のメリークリスマス』、YMOの解散コンサートやプロモーションビデオからの映像も引用。
2025年2月に惜しまれつつ閉館した新宿アルタや、今なお東京のシンボルの一つである渋谷のスクランブル交差点といった東京の景色も多数映し出されており、監督のエリザベス・レナードが本作を「坂本の目と、彼のポートレートを通して見た東京の音」と評する通り、坂本龍一という偉大な音楽家を通して、80年代の東京を感じられる作品となっている。
【作品詳細】
『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』4K レストア版
公開時期:2026年
監督:エリザベス・レナード
出演:坂本龍一、矢野顕子、細野晴臣、高橋幸宏
撮影:ジャック・パメール
編集:鈴木マキコ
音楽:坂本龍一
録音:ジャン・クロード・ブリッソン
製作:ミュリエル・ローズ
1985年|62分|フランス、日本|日本語、フランス語、英語