企画展「アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの」が、名古屋の愛知県美術館にて、2024年7月18日(木)から9月23日(月・振)まで開催される。埼玉県立近代美術館でも開催された巡回展だ。
椅子は、デザイナーや建築家ばかりでなく、アーティストをも惹きつけてきた。それは椅子が、単に座る姿勢を支えるという機能を持つばかりでなく、時に権威の象徴となり、時に安楽や拘束のための道具となり、あるいは時に、コミュニケーションの場を生みだしたりと、多義的な意味と役割を担いうるからだといえる。
企画展「アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの」は、現代美術における椅子の表現を通して、椅子という身近な存在に多様な意味合いを与えてゆく、社会や人間のあり方を探る展覧会だ。マルセル・デュシャンの《自転⾞の⾞輪》を起点に、主に戦後から現代まで、宮永愛子をはじめとする国内外のアーティストによる作品約80点を紹介する。
平面、立体、写真、映像、ダンスなど、さまざまな作品を紹介する本展では、国内外のアーティストによる新作を公開。たとえば、日本初出展となるミシェル・ドゥ・ブロワンは、日本の会議椅子を用いて制作した新作《樹状細胞》を発表する。また副産物産店は、アートの現場から出た廃材を素材に、来場者が実際に座って休むことができる椅子を制作。なかでも《Absolute Chairs #1_rodinʼs crate》は、愛知県美術館所蔵のオーギュスト・ロダン《歩く人》を輸送するために使われていた箱を用いたものだ。
また、ベルギーを代表するダンス・カンパニー「ローザス」のインスタレーションも、日本初公開。ローザスは2013年より、その代表作《ローザス・ダンス・ローザス》の椅子を使ったパートの振り付けのレクチャーを公開し、このダンスを踊った映像を募集するプロジェクト《Re: ローザス!》を展開してきた。本展では、世界中から投稿された動画のうち約350本を、インスタレーションとして構成したものを公開する。
企画展「アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの」
会期:2024年7月18日(木)〜9月23日(月・振)
会場:愛知県美術館
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター 10F
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)
観覧料:⼀般 1,500円(1,300円)、⾼校・⼤学⽣ 1,300円(1,100円)、中学⽣以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※⾝体障害者⼿帳、精神障害者保健福祉⼿帳、療育⼿帳(愛護⼿帳)、特定医療費受給者証(指定難病)の提示者は、各券種の半額で観覧可。また、付添者は、「第1種」ないし「1級」の各種⼿帳、特定医療費受給者証(指定難病)の場合、いずれも1名まで各券種の半額で観覧可
※上記料金で本展会期中にかぎりコレクション展も観覧可
【問い合わせ先】
愛知県美術館(代表)
TEL:052-971-5511