特別展「オタケ・インパクト —越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム—」が、東京・六本木の泉屋博古館東京にて、2024年10月19日(土)から12月15日(日)まで開催される。
尾竹越堂(おたけ えつどう)、竹坡(ちくは)、国観(こっかん)の三兄弟は、明治時代から昭和時代にかけて、さまざまな展覧会で活躍した日本画家だ。明治時代に確立された展覧会という場を活用して画名を高めていった尾竹三兄弟は、しかし、竹坡を筆頭にラディカルな表現を試み、時として奇抜な生き方を貫くなど、従来の日本近代美術史からはこぼれ落ちてきた存在であったといえる。
特別展「オタケ・インパクト —越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム—」は、東京では初となる尾竹三兄弟の展覧会。明治43年(1910年)国画玉成会に出品されるも、会長の岡倉天心と衝突したため撤去された国観の作品《絵踏》など、初公開を含む代表作の数々を一挙公開する。
新潟に生まれた越堂、竹坡、国観ら尾竹三兄弟は、横山大観などの東京美術学校を卒業した「学校派」に対して、地方から上京し、展覧会を舞台に画名を高めていった。とりわけ竹坡は、展覧会ごとに作風を変え、人気を集めてゆくこととなる。本展の前半では、国観《油断》をはじめとする展覧会の出品作を中心に紹介し、三兄弟が頭角を現してゆく様子に光をあてる。
明治時代末から大正時代にかけての尾竹三兄弟は、日本美術院との確執や文展の落選などを背景に、門下生を集めた画塾展を軸に活動した。なかでも竹坡は、この時期に日本へともたらされた未来派に着想した抽象的な作品など、斬新な画風を展開している。また、画題も、歴史故実に基づくテーマから、労働や抽象的なテーマへと移行した。会場では、竹坡の《月の潤い・太陽の熱・星の冷え》といった前衛的な作品を展示する。
昭和時代の尾竹三兄弟は、それぞれが新しい画境を求めていった。たとえば竹坡は写実と理知的な構成を、国観は堅牢な歴史画を目指すなど、大正時代に見られた前衛性は抑えられ、原点回帰とその洗練へと向かっている。本展の後半では、竹坡の《大地円》や国観の《天の岩戸・常闇》などを展示し、晩年における三兄弟の展開をたどってゆく。
特別展「オタケ・インパクト —越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム—」
会期:2024年10月19日(土)〜12月15日(日)
[前期 10月19日(土)〜11月17日(日) / 後期 11月19日(火)〜12月15日(日)]
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1-5-1
開館時間:11:00~18:00(金曜日は19:00まで開館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(11月4日(月・振)は開館)、11月5日(火)
入館料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 800円(700円)、中学生以下 無料
※20名以上の団体は( )内の割引料金
※障がい者手帳などの提示者本人および同伴者1名までは無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)