特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 —百花繚乱 御所ゆかりの絵画—」が、東京国立博物館 平成館にて、2025年1月21日(火)から3月16日(日)まで開催される。
京都西北に位置する嵯峨は、古くより景勝地として知られ、平安時代には王朝貴族の遊覧の地となった。その始まりが、王朝文化の祖と称された嵯峨天皇である。嵯峨天皇は平安時代初期、この地に離宮「嵯峨院」を造営。また、真言密教の祖・空海の勧めにより、離宮内の堂に密教の仏「五大明王」の仏像を安置している。その後、嵯峨天皇の皇女・正子内親王(まさこないしんのう)の願いにより寺に改められ、大覚寺(だいかくじ)が開創されることになった。
天皇家と深い縁を持つ大覚寺には、優れた寺宝が数多く伝えられている。とりわけ、寺院の中央に位置する「宸殿(しんでん)」や「正寝殿(しょうしんでん)」の内部は、襖絵や障子絵といった障壁画240面によって飾られており、これらの障壁画の多くは、安土桃山〜江戸時代を代表する画家・狩野山楽(かのう さんらく)の代表作として重要文化財に指定されている。
特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 —百花繚乱 御所ゆかりの絵画—」は、大覚寺に伝わる寺宝を紹介する展覧会。240面におよぶ障壁画のうち120面以上を公開するほか、平安時代後期の仏像を代表する明円作《五大明王像》や、歴代天皇による書の数々などを展示する。
本展では、大覚寺に伝わる障壁画を一挙公開。重要文化財に指定される襖絵や障子絵240面の多くは、安土桃山〜江戸時代の狩野山楽と、江戸時代中期に京都で活躍した渡辺始興(わたなべ しこう)によって手がけられたものだ。会場では、横長の画面に牡丹をリズミカルに配置した《牡丹図》や、咲き誇る紅白梅と水辺の鳥などを描いた《紅白梅図》、巨大な松をダイナミックに描いた《松鷹図》など、123面の障壁画を紹介する。
空海の勧めで安置された五大明王像は現存しないものの、大覚寺には、密教美術の名品も伝えられている。本展では、大覚寺の本尊であり、平安時代後期の仏像の最高傑作のひとつとして知られる明円作《五大明王像》を公開。5体揃っての展示は、東京では初となる。
開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 —百花繚乱 御所ゆかりの絵画—」
会期:2025年1月21日(火)~3月16日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 1月21日(火)~2月16日(日) / 後期 2月18日(火)~3月16日(日)]
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(2月10日(月)・24日(月・振)は開館)、2月25日(火)
※観覧料については追って告知
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)