金沢21世紀美術館では、「コレクション展2 都市漂流」を、2024年10月12日(土)から2025年1月19日(日)まで開催する。
1980年以降、現代美術における重要なテーマとなった「都市化」。資本主義によって駆動される都市は、絶えず前進と発達へと向かい、個々の人々すら飲みこむようでもある。「コレクション展2 都市漂流」では、金沢21世紀美術館のコレクションのなかから、都市に漂流する個人の体験に着目した作品を紹介する。
本展では、アジアを中心に、世界各国のアーティストが手がけた都市にまつわる作品を紹介。消費社会、出稼ぎ労働者の生活環境、移民、異文化の受容などをテーマに、アーティストの実体験から生まれた表現にふれることができる。
たとえば、写真家のホンマタカシは、1980年後半より国内外のファッション誌を中心に広告写真などを手がける一方、さまざまな都市や都市郊外のニュータウンの風景、そしてそこに暮らす子供を、独自の距離感で撮影してきた。本展では、都市やその周辺環境、居住者の生活を捉えた「東京郊外」シリーズなどを展示する。
また、韓国に生まれて渡米を経験し、現在はイギリス在住のソ・ドホは、移動を繰り返してきた自身の経験を反映しつつ、作品を発表している。本展で展示される《家の中の家—1/11スケール—原型》は、ソ・ドホが幼少期を過ごした韓国の伝統家屋と、渡米後に初めて住んだ家を合体させ、3Dプリント技術で再現した作品であり、自身をとり巻く世界とその変容を表現したものとなっている。
そのほか、ナフタリンを用いて時間の経過を可視化する作品で知られる宮永愛子、社会における女性の役割や移民といった現代社会の諸問題を多角的に表現するマヤ・バイェヴィッチ、知覚の不確かさに目を向けるカールステン・ヘラーなどの作品を紹介する。
「コレクション展2 都市漂流」
会期:2024年10月12日(土)〜2025年1月19日(日)
[前期 10月12日(土)〜12月1日(日) / 後期 12月3日(火)〜1月19日(日)]
会場:金沢21世紀美術館 展示室1〜4、デザイン・ギャラリー、長期インスタレーションルーム、交流ゾーン
開場時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※観覧券販売はいずれも閉場30分前まで
休場日:月曜日(10月14日(月・祝)・28日(月)、11月4日(月・振)、1月13日(月・祝)は開場)、10月15日(火)・29日(火)、11月5日(火)、12月29日(日)〜1月1日(水・祝)、1月14日(火)
観覧料:一般 450円(360円)、大学生 310円(240円)、小学・中学・高校生 無料、65歳以上 360円
※( )内は20名以上の団体料金
※市民無料の日:11月3日(日・祝)「市民美術の日」、会期中の毎月第2土曜日「美術奨励の日」(10月12日、11月9日、12月14日、1月11日)は、金沢市民の観覧無料(証明書を要提示)
※日時指定ウェブチケットは、美術館ウェブサイトにて販売
■出展作家
アトリエ・ワン、マヤ・バイェヴィッチ、クリス・バーデン、陳維(チェン・ウェイ)、Chim↑Pom、ジャナン・ダグデレン、イザ・ゲンツケン、カールステン・ヘラー、ホンマタカシ、金氏徹平、久野彩子、宮永愛子、村上隆、曽根裕、ソ・ドホ、SUPERFLEX、宇治野宗輝、シスレイ・ジャファ
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800