ベルルッティ(BERLUTI)の2025年秋冬コレクションが発表された。
2025年に130周年を迎えるベルルッティ。今季は、ひとつの幹から分岐が生じる「系統発生」のように、メゾンのベースにあるレザーを扱う技術から展開していったウェアやシューズ、レザーグッズを、豊かなバリエーションで繰り広げる。
スタンドカラーや前立てのボタンなどで仕上げた「フォレスティエール」は、1947年、モダニズムを代表する建築家ル・コルビュジエの依頼を受けて、パリ・セーヌ川左岸のテーラー「アルニス」がデザインしたジャケットだ。機能美、つまり機能性が造形性に溶けあうことを追求したル・コルビュジエの建築に呼応するように、フォレスティエールは、仕事場から自宅に戻らずディナーにそのまま向かえるよう、機能的でありながら端正な佇まいに仕立てたものであった。
今季のベルルッティは、ワークとエレガンスが溶けあうフォレスティエールを、幅広い素材で展開。干渉縞のように独特の陰影を帯びたファブリックや、柔らかく、しかし軽やかに仕上げたウール・カシミヤ、ベルルッティならではの上質なレザー、温かみのあるヘリンボーンのツイードなど、多彩な表情でフォレスティエールを繰り広げている。
多彩な素材で仕立てたフォレスティエールを、さまざまな着こなしに用いるのと響きあうように、ウェアの数々は、レイヤードを引き立てるさまざまなアイテムや丈感で展開されている。ツイードのロングコートはもちろん、レザージャケット、畝感のあるデニムジャケットなど、それぞれに異なる表情を持つウェアを、レイヤードによって立体感ある着こなしにまとめた。
ベルルッティの核にあるシューズは、メゾンを代表する一枚革のレースアップシューズ「アレッサンドロ」を起点に、豊かなバリエーションへと変奏される。「アレッサンドロ」に採用している、ほどよいスクエアトゥのラスト「デムジュール」をベースに、アウトソールを誇張したり、厚底のラバーソールを組み合わせたりすることで、異なる表情へ。そのレザーは、ブラックにブルーやグリーンなどを重ねるプロセスを複数回繰り返すことで、艶やかで深みある色調を生み出している。
一方、バッグにおいては、新たに「ペリプル」シリーズを用意。ベルルッティを象徴する艶やかなヴェネチアレザーに代わり、柔らかくシボ感のあるレザーを採用することで、身体にフィットする心地良いバッグに仕上げた。また、「アンジュール」バッグを踏襲してサイドにファスナーポケットをあしらうほか、立体的な開口部はU字型の大胆なファスナーで仕上げた。