タオ(TAO)は、2025-26年秋冬コレクションを2025年3月27日(木)に東京・青山で発表した。
従来は白をはじめとする柔らかな色使いを採用することが多いタオだが、ショーが幕を開けると重厚なブラックの世界に包まれた。フェイクレザーのジャケットやコートにはじまり、ウールギャバジンのジャケットなどの真っ黒なウェアに、メタリックゴールドのスカートやスパンコール刺繍のTシャツなど、キラキラと輝くデコラティブなピースが華やかなムードをもたらす。
ブラック、ゴールドの2色で展開された箔プリントのピースは、表面がマダラになった豊かな風合いが魅力。ジャケットやスカートの表面に細かいシワや白いノイズが入り混じり、ひらひらとした軽快な質感も相まってどこか余韻を残していくような佇まいを見せる。
「黒で表現したい」という気持ちがクリエーションの出発点だったと話すデザイナーの栗原たおは、硬派なタオの世界を表現するため、今回は工業的な素材や、機能的な素材を装飾的な意味合いでデザインの中に落とし込んだという。たとえば、梱包などに用いられる資材で仕立てたフリルスカートは、不織布ならではの柔らかな質感と粗野な表情の両方を兼ね備えた1着に仕上げている。
また、スタイリングの中で度々存在感を放っていたコームのネックレスは、ヘアケアブランド・ラブクロム(LOVECHROME)とのコラボレーションだ。ブラックのセットアップに組み合わせたゴールドカラーのチェーンネックレスには、いくつものコームを連ねて構築的なアクセサリーに。ランウェイに登場したネックレスの中には、取り外して実際にコームとして使えるピースもあるという。
ブラックとゴールドという強い色彩を組み合わせながらも、シルエットによって柔らかさを持たせることで、独特の浮遊感と幻想的な雰囲気をまとっている。ギャザーを寄せ、リボンとフリルを飾ったフェイクレザードレスはその分量感によってふんわりとしたドーム状のフォルムに。箔プリントのフリルスカートは、チュールを組み合わせることでたっぷりと空気を含んでいる。
また、テープ状のパーツを繋ぎ合わせて立体的なシルエットに仕立てたドレスや、背面にダーツを取って膨らみを持たせたコートなどが登場。複数のスカーフを結んで繋ぎ合わせたスカートや、リボンの結び目によってボリュームを出している赤いフランネルのトップスなど、布地の動きを生かして生き生きとした造形を生み出しているのも印象的だ。
タオ 2025年春夏コレクションにおいてもコラボレーションしているパトリック(PATRICK)とのコラボレーションシューズも登場。今季はキルティングのブーツを展開している。