10月30日、アールト大学芸術デザイン学科(The Aalto University of Art and Design)を代表するデザイナー10組による合同ファッションショーが行われた。このファッションショーは、デザインを通じてフィンランドの旬なライフスタイルを紹介するイベント"HIRAMEKI DESIGN x FINLAND"の一部として開催された日本初の試み。
ショーでは、フェルトや麻、レザー、ファーといった様々な素材の組み合わせや、織りで表現された素材の見せ方、個性的なプリントやカットの技術が光る細身のライン、立体裁断によって作り出されたコクーンシルエットの美しさ等、北欧らしさ溢れるシンプルでありながらどこか遊び心のあるアイテムが多数展開された。
織物による新しいイノベーションと素材研究を行ってきたという彼らの集大成となるショー。今回は2回に分けて、10組のデザイナーが発表した全ルックを各ページにつき1組ずつ、デザイナーのプロフィールも含めて紹介する。
※後半の5組のデザイナーのルックはこちらから
→「フィンランド若手デザイナー10組による合同ファッションショー - 「Naytos 10」②」
サトゥ・マーラネンは、デザインの中でムラのある生地と結び目の珍しい繊維の組み合わせを使って、表面の構造と割合にユニークな取り組みをしている。今回のインスピレーションは、古代の滅びてしまった繊維とフランスの画家トゥルーズ・ロートレックの有名ではない絵画から来ている。コレクションは、全体的にフェミニンな雰囲気。
サトゥ・マーラネンは今年の8月、ウィメンズウェアのコレクションでノルディックデザイナーズ・ネスト賞を受賞。デザイナーズ・ネストは、世界中のバイヤー、デザイナー、メディア等が集まり、新進気鋭の北欧デザイナーたちを紹介する、2年に一度開催されるファッションフェア。サトゥのコレクションを裏付ける強い概念と北欧風の仕上げ方が、海外の審査員に認められた。クーチュール生地から作られていて、サトゥがオランダとイタリアで去年の秋、ヨーロッパテキスタイル研修中に自分でデザインした生地を使っている。
またサトゥは、アントワープの婦人服デザイナー、クリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)のもとでも研修したことがある。