メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)の2017年秋冬メンズコレクションは、アメリカンポップカルチャー、そしてパリを拠点に活動するニューヨーク出身のアーティスト、ウィリアム・クラインの創造力が着想源。アメリカンなモチーフが今シーズンを彩っている。

カラーはキャメルとバーガンディを主軸に、落ち着きのあるグレーやカーキのようなニュアンスカラーを採用。そこに、アクセントとして星条旗のレッドやホワイト、ブルーが取り込まれている。ブランドのシンボル、キツネのマークも今シーズンばかりは星条旗カラーだ。

アイテム単体でみてもテーマに忠実で、ジャカードセーターには星が散りばめられている。カットソーはさながらアメリカンフットボールのユニホームで、パット入りの肩の張ったシルエット。一方で、アメコミ風のキャッチーなディテールも、グンと今シーズンらしさを出す手段。ウール素材のジャカードスーツにはサイケデリックなコミックの吹き出しが、ジャケットのボタンホールはよく目を凝らせば端にサンダーモチーフが施されている。

プレイフルなデザインが随所に仕掛けられたこれらのワードローブは、スポーティーなアイテムと掛け合わせたヴィンテージプレッピースタイルが基盤。パッチが散りばめられたブロード地のベースボールジャケットは、くるぶしでロールアップしたリジットデニムと、ブラックレザーのオックスフォードシューズで合わせた。フリースライニング仕様のウィンドブレーカーは、ジャカードセーターとフランネルのトラウザーでクラシカルにスタイリングされている。

シックなエッセンスとスポーツウェアの出会いによって、モダンな男性のワードローブを表現し、そこにアメリカンなアクセントをミックスした今季。ミニマルなシルエットの中でジャンルの掛け合わせを楽しみ、ユーモア溢れる気取らない現代的な洗練さを見出している。