ドキュメンタリー映画『ソニータ』が、2017年10月21日(土)よりアップリンク渋谷で公開される。
18歳のソニータがスクラップブックに書いた夢は、有名なラッパーになること。しかし、パスポートも滞在許可証もなく、アフガニスタンのタリバンから逃れてきた難民の彼女は、不法移民としてこの施設で心の傷を癒やすためのカウンセリングや将来のアドバイスを受けている。その一方で、彼女の家族は全く別の将来を準備していた。アフガニスタンに住む親は、古くからの習慣どおりにソニータを見ず知らずの男性に嫁がせようとする。花嫁の値段は9,000ドルーー。
女性が歌うことが許されないイランで、ソニータはどうしたらラッパーになる夢を叶えることが出来るのだろうか?母親から迫られる強制結婚から逃れるため、そして有名なラッパーになるという夢を追うため、ソニータは自らの人生を歌うことで切り拓こうとする。
タリバンの影響力が強まるアフガニスタンに生まれ、10歳の頃に難民としてイランへと逃れた少女ソニータ。友人が次々と結納金と引き換えの結婚を強いられるなか、それでも彼女は、アフガニスタンの少女たちが抱える悩み、悲しみや怒りをラップに込めて歌い続ける。そして次第に才能を開花させ、一本のYouTube動画が運命を変えていく。
本作は、「サンダンス映画祭 2016」ワールドシネマ部門でグランプリ&観客賞、「アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)2015」観客賞、「シェフィールドドキュメンタリー映画祭 2016」ヤング審査員賞など、各国の映画祭で様々な賞を獲得している。
メガホンを取ったのは、イランの首都・テヘランで生まれ、テヘラン芸術大学で映画制作とアニメーションを学ぶロクサレ・ガエム・マガミ。彼女はソニータの出会いや映画製作の背景について、下記のようにコメントを残している。
「ソニータとは従兄弟がソーシャルワーカーとして働く、子ども支援団体で出会いました。従兄弟がソニータに会い、何かしてあげられないかと頼んできたのです。ソニータは将来歌手になる夢を持つとても才能ある少女でした。ソニータに興味を持った私は、私の友人を紹介し、その友人が私の家でソニータに音楽の基礎やギターを教え始めました。何回かのレッスン後に、私はますます野心的なソニータに興味を持ち、彼女の映画を作ることにしたのです。ラッパーになることを夢見るソニータに、私は明るい将来が想像出来ませんでした。彼女は滞在許可証もありませんので、旅もできません。彼女を取り巻く全てが彼女の夢を妨害するような状況で、彼女には何も出来ないと思いました。そんな彼女がどのように夢を追いかけていくのか興味があったのです」
ドキュメンタリー映画『ソニータ』
公開日:2017年10月21日(土)
監督:ロクサレ・ガエム・マガミ
出演:ソニータ・アリザデ、ロクサレ・ガエム・マガミ
音楽:ソニータ・アリザデ、セパンダマズ・エラヒ・シラジ
原題:Sonita
2015年 / 91分 / スイス・ドイツ・イラン