![fashionpress[ファッションプレス]](/img/common/logo_0119_1928.svg){kind=logo}
ケンゾー(KENZO)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月21日(日)に発表された。今季も、メンズ・ウィメンズの合同ショーで、パリ・ファッション・ウィークの最後を飾る。
テーマは「My Sister's Wedding」。会場では、デザイナーのウンベルトが、お姉さんの結婚式の前の日に髪を染めて怒られたという実体験を劇団員たちで再現し、それをリアルタイムで大きなスクリーンに映し出した。まるでひとつの映画館のような空間だった。その演出にした理由は、映画というものがこれまで人々に大きな影響を与えてきたからというのが一番の大きな理由らしい。映画は見た瞬間だけではなくて、私たちの心に大きく残る。そんな魅力を、今季のワードローブにも投影したのだ。
カラーパレットは華やか。そして、ファブリックにも一癖二癖当たり前。しかし、洋服そのものはオーソドックスなものばかりである。シャツにタートルをレイヤードして、さらにその上からコンパクトなベストを重ねる。ボトムスはトラッドなチェック柄のスラックス。オリエンタルな花を添えたテクニカル素材のスポーツブルゾンにも、ツイードコートの袖をトラックスーツに切り替えたハイブリッドなコートも同じ組み合わせだ。
シルクサテンの桜のジャカードは、多用されていて、私たちを夢中するスクリーン上の男性を讃えるスタイルへ。ミニマルなオーバーコートにあわせて被ったバスケットハットは、そのドラマ性を密かに捉えて後へとつなぐ。その先には、ケンゾーらしい派手なアニマル柄も、ファーコートも待っている。物語でみる煌びやかさはきっとその側面で表している。
映画でみる男っぽさは、ユーズド加工のレザーカーディガンが表したのだろう。一方でロマンティックな一面は、花柄のシースルー素材を用いたアンサンブルが表現している。しかし、その基軸となっているのはほとんどがトラッドな要素。クラシックとモダンの掛け合わせが、男性の意外な一面をそそのかし、映画のようなドラマティックな場面をワードローブの中に生み出している。
リンクをコピー
