日本・オーストリア外交樹立150周年記念「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が東京・国立新美術館、大阪・国立国際美術館にて開催。会期は、東京展が2019年4月24日(水)から8月5日(月)、大阪展が2019年8月27日(火)から12月8日(日)まで。
ウィーンの文化の中心地、カールスプラッツにあるウィーン・ミュージアム。文化財指定されている同ミュージアムの大規模な増改築に伴い、ウィーン世紀末美術の象徴ともいえるグスタフ・クリムトが最愛のパートナーを描いた油彩画《エミーリエ・フレーゲの肖像》をはじめとする常設の展示作品を含めた主要作品の来日が実現。
油彩74点に加えて工芸やグラフィック、テキスタイルなど、東京展では約400点、大阪展で約330点に上る圧巻の作品群を通して、19世紀前半のビーダーマイアー時代から、1857年の市壁の取り壊しを機に、リング通りが形成され、ウィーンの芸術と建築文化が開花した時代までを辿る。
特に見どころとなるのは、展示のクライマックスとなる「ウィーン世紀末」を語るセクションだ。中でも、グスタフ・クリムトの人生における核となる作品群に注目。先に述べた《エミーリエ・フレーゲの肖像》の他、「ウィーン分離派」を立ち上げ、拠点となる分離派会館の開館に際して描かれた《パラス・アテナ》、「ウィーン分離派」の機関誌『ヴェル・サクルム』に向けた《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》などが一堂に会する。
その他、マクシミリアン・クルツヴァイルによる《黄色いドレスの女性(画家の妻)》など「ウィーン分離派」に属した画家の絵画も登場。一連の作品から、時代の雰囲気を体感することができる。
グスタフ・クリムトから強い影響を受けつつ、新たな表現を追求したエゴン・シーレやオスカー・ココシュカの作品も登場。わずか28年という短い生涯の中で、様々な形式で170回以上も自身の姿を作品に残したエゴン・シーレの《自画像》や、オスカー・ココシュカによる大胆な表現が画壇に大きな衝撃をもたらした《「クンストシャウ、サマーシアター」の演目、『殺人者、女たちの希望』のポスター》からは、ともに自身の芸術世界に没頭した画家達の活動の痕跡が窺える。
さらに、オーストリアの代表的建築家であるオットー・ヴァーグナーの建築・都市計画も紹介。ウィーン市長の60歳の誕生日を記念してデザインした《カール・ルエーガー市長のための椅子》は、直線的で洗練されたデザインと、表情豊かな雰囲気が共存した1品だ。
《美術アカデミー記念ホール:模型》や、《ウィーン市営鉄道に対する、アカデミー通り駅とグムペンドルファー通り駅の計画案⦆など、ウィーンのモダンな街並みを形作る、オットー・ヴァーグナーのアイディアに迫る資料が揃う(作品はいずれもウィーン・ミュージアム蔵)。
大阪展では、前売券を2019年6月24日(月)から販売。加えて、早割チケットなど各種企画チケットを順次発売する。クリムトの《エミーリエ・フレーゲの肖像》に扮したサンリオのキャラクター・マイメロディのボールチェーンぬいぐるみ付きチケットや、ウィーンのシュテファン大聖堂の隣に本店を構えるハース&ハースが提供するフルーツティー「ウィンナーワルツ」付きの前売券など、スペシャルなチケットも揃える。
2019年7月9日(火)限定で、大学院生、大学生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校の4・5年生を対象に入場料金が無料になる「キヤノン・ミュージアム・キャンパス」を実施する。なお、同イベントは今回が9回目のイベント。当日は、 美術検定1級を取得した「アートナビゲーター」が作品の見どころなどを会場内で特別に解説する。
【詳細】
日本・オーストリア外交樹立150周年記念「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
■東京展
会期:2019年4月24日(水)~8月5日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
休館日:毎週火曜日 ※ただし4月30日は開館
問い合わせTEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
出展作品数:約400点
観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円、中学生以下無料
※( )内は前売/団体料金。
※団体料金の適用は20名以上。
販売場所:国立新美術館(開館日のみ)、展覧会ホームページ、チケットぴあ(Pコード:769-499)、ローソンチケット(Lコード:30404)、イープラス、セブンチケット、CNプレイガイド
※手数料がかかる場合あり。
※詳細は展覧会ホームページに記載。
■大阪展
会期:2019年8月27日(火)~12月8日(日)
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
休館日:毎週月曜日 ※ただし9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館、翌日休館
問い合わせTEL:06-6447-4680(国立国際美術館)
出展作品数:約300点
観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円、中学生以下無料(要証明)
※( )内は前売/20名以上団体料金。 ※心身に障がいのある人とその付添者1名無料(要証明)
※前売券は6月24日(月)から8月26日(月)まで販売。一部の企画チケットは5月10日(金)から順次販売。
※本料金で同時開催の「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅱ」も観覧可能。
※国立国際美術館では前売券の取り扱いなし。
企画チケット例:マイメロディぬいぐるみ付きチケット(6月24日(月)~8月26日(月)販売) 2,600円、フルーツティー付きチケット(6月24日(月)~8月26日(月)販売) 1,800円 ※詳細は本展公式ホームページまで。
チケット販売場所例:展覧会公式サイト(オンラインチケット)、ローソンチケット(Lコード:54600)、セブンチケット、 チケットぴあ(Pコード:769-613)、イープラスなど。※チケットの購入時に手数料がかかる場合あり。
■「キヤノン・ミュージアム・キャンパス」開催概要
日時:2019年7月9日(火) 10:00~17:00(最終入場16:30まで)
開催場所:国立新美術館(東京・六本木)
対象:大学院生、大学生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校の4・5年生
申し込み:不要(入場時に受付で学生証の提示が必要/混雑時は入場制限を行う場合あり)入場料:無料