ヴィヴィアンノ スー(VIVIANO SUE)の2019年春夏コレクションが、2018年10月19日(金)に発表された。
シーズンテーマは「Ondée」。フランス語で、急に降りだすにわか雨の意味を持つ"驟雨(しゅうう)"をインスピレーションの源に、突発的に振り出した雨が、周囲一帯にもたらす変化を表現していく。
会場に一歩足を踏み入れると、降って止み、止んでは降りを繰り返す雨の音が鳴り響いていた。ランウェイに登場したモデルの髪やメイクは、雨に濡れてしまったかのようにウェッティーだ。
樹木に雨水が滴り、土が崩れ、そこから石が覗く...そんなにわか雨がもたらす自然の表情を洋服に落とし込むために多用されたのは、ふんだんな装飾、そして多様なパターン。ジャケットに四角形の布を何枚も重ねたり、トレンチコートにフリルを複雑に配置したり。ジャケットの肩や裾から垂らした、床につくほど長いベルトも、降り注いだ雨が樹木や地面をつたって流れていく様子を示しているかのようだ。
雨に打たれ、崩れ落ちた土から覗く岩肌は、ベージュカラーのロングコートに差し込んだ、シャイニーな輝きのスパンコールに姿を変えている。
雨水を連想させる模様は、天から地に降り注ぐ雨の様子をイメージしたストライプ、縦横無尽に入り乱れる雨風のようなチェック柄。また、大理石と水の組み合わせをイメージしたというオリジナルプリントも、軽やかな素材のドレスに起用されている。
雨風に負けない素材も印象的に使われていて、一貫して足元を彩っていたPVCのブーツは、その象徴といえるだろう。シンプルなショートブーツや、レースアップブーツ、スニーカーなどが、モデルたちの足元を水しぶきから守っているかのようだった。
ショーのラストを飾ったのは、ボリューミーなドレス群。チュールのフリルを幾重にも重ね、複雑に手繰り寄せたこれらのドレスは、贅沢な装飾で驟雨を表現した今季のシンボルのように、ショーの幕引きを惜しむ観客たちを魅了していた。