N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)は、2019年春夏コレクションのショーを品川・寺田倉庫にて開催した。東京でのショー開催は約8年ぶりとなる
2018年7月にはニューヨークでもショーを行ったN.ハリウッド。今回は、デザイナーの尾花大輔のルーツともいえる、“古着”を織り交ぜたスタイリングで新たな世界観を見せた。
モデルのキャスティングをストリートで行ったという尾花は、現代の日本におけるダイバーシティを感じ取ったという。実際に、登場したモデルは国籍も背丈も様々。展開されたコレクションのスタイリングもまた、ミリタリー、ワーク、アウトドア、スポーツ、ストリート、ヴィンテージと、多様なエッセンスが混在していた。それは、まさに今の東京をそのまま象徴しているように感じられた。
褪せたような色味のキャラクタープリントや、ダメージ感のあるミリタリー調ベスト、所狭しとロゴワッペンを並べたブルゾンなど、経過した時間と、手を加えた痕跡が見えるピースからは、ヴィンテージウェアやリメイクならではの、どこか退廃的でありながらも親しみやすいムードが漂っている。
ペンドルトン(PENDLETON)とのコラボレーションによる赤と青のチェック地、オレンジ、ブルー、イエローなどを織り交ぜたデジタルチェックなど、鮮やかな色使いやキャッチーなプリントも散見された。レインボータイダイのカットソーは、エスニックな雰囲気とともにコーディネートにアクセントを加え、グラフィカルプリントのカットソーやメタリックシルバーのアウター、軍鶏の日本画風プリントを施したパンツは“ごちゃ混ぜ”感をさらに強調。
アンブロ(umbro)とコラボレーションした、原色やネオンカラーのスポーティーなウェアも、強い個性を放ちながら、アクティブなムードを演出していた。
また、フリンジをあしらったトップスや、カモフラージュ柄のコートなど、ノマドを思わせるウェアも登場。大ぶりなカーキのキルティングコートを、肩に担ぐようにして現れたモデルのパンツには、立体的なポケットが複数施されている。機能的なディテールと無骨な佇まいが、転々と渡り歩いてきた旅路を連想させる。
“order one you like pick it up here”のメッセージをバックに配し、アマゾン(Amazon)を象徴的に表現したタイダイのガウンは、レイヤードしてコーディネートのアクセントとして羽織ったり、前後逆に着たり、首に袖を巻きつけてアンバランスに着てみたりと、バラエティに富んだスタイリングで登場。
その他、アマゾンのシンボルを大胆にプリントしたTシャツをはじめ、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)やオーディオテクニカ(audio-technica)のロゴ入りTシャツ、M&M'Sチョコレートのポップなワッペンを貼り付けたブルゾンなど、商業的なモチーフをあえて全面に押し出すことで、「Amazon Fashion Week TOKYO」ならではの、ショーピースであることを印象付けた。