日本を代表する電子音楽家/ヴィジュアルアーティスト、池田亮司のプロジェクト「datamatics[ver.2.0]」。その4年半ぶりとなる単独公演が国内最高峰のサウンドシステムとプロジェクションを誇る渋谷WWWにて実現する。期間は2012年10月25日(木)~27(土)の3日間、計5公演で、各回100名限定のプレミアム公演。
「datamatics」は、池田が2006年より取り組んでいる映像やオブジェ、サウンド、ニューメディアの作品からなる長期プログラム。われわれの世界に広がる不可視で多様な実体性をもつ「データ」を知覚するポテンシャルについて探究するアートプロジェクトだ。そこではデータがテーマとして、また素材として、実在の抽象的な捉え方、つまりデータにより世界をエンコード、理解、制御する方法を探るべく、取り扱われている。
今回のdatamatics [ver 2.0] は完全版として、先行する以前のヴァージョン(2006年3月初演)から、新たにポンピドゥーセンターおよびYCAMにより委嘱された第二部のパートが追加され、2008年に山口(YCAM)、兵庫、東京でパフォーマンスされたもの。
サウンドや映像、ときにはソースコードをも含んだオリジナルの要素は、客観的に脱構築されながら、datamatics それ自体の原理が再遂行され、一種のメタdatamaticsとでも呼ぶべき新たなパートを生み出している。超高速のフレームレートや変動するビット深度など、サウンド・映像の両要素において、作品における技術的なダイナミクスは、依然われわれの知覚の閾値に挑戦し続ける。
残念ながら前売りチケットは全公演SOLD OUTしているが、8月26日(日)までWWWのGoogle+ページにてチケットプレゼントの応募を受付中なので、ぜひチェックを。
【作品概要】
「datamatics[ver.2.0]」
ディレクション:池田亮司
コンセプト・コンポジション:池田亮司
コンピュータグラフィクス・プログラミング:松川昌平、平川紀道、徳山知永
共同委嘱:AV Festival 06, ZeroOne San Jose & ISEA 2006制作:Forma
共同制作:ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター、山口情報芸術センター(YCAM)
協力:Recombinant Media Labs
【公演概要】
日程:
2012年10月25日(木) 19:30open/20:00start ※10月25日は1公演のみ
2012年10月26日(金) <1st> 18:00open/18:30start <2nd>20:00open/20:30start
2012年10月27日(土) <1st> 14:30open/15:00start <2nd>16:30open/17:00start
チケット:¥4,000(税込) 着席全自由
【問い合わせ先】
WWW
TEL:03‐5458‐7685
【アーティストプロフィール】
池田 亮司(Ryoji Ikeda)
1966年生まれ。現在、パリ在住。電子音楽作曲家/アーティストとして超音波、周波数、そして音そのものの持つ本質的な特性の細部に徹底した焦点を当てた作品を発表。その作品は、音の物理的特性や人間の知覚との因果関係、音楽としての数学的類推、時間、空間を活用する。コンピュータとデジタルテクノロジーを極限まで駆使し、サウンドエンジニアリング、作曲およびライプパフォーマンスやインスタレーションにおいて、独特の微視的な手法を発展させてきた。
池田は1990年より音楽活動を開始。1995年以来、コンサートやインスタレーション、レコーディングを通してサウンドアートの領域で積極的に活動している。アルバム「+/-」(1996年)、「0℃」(1998年)や「Matrix」(2000年)は、批評家から最も過激で革新的な現代電子音楽として称賛されている。カーステン・ニコライとのコラボレーション・プロジェクトである「cyclo.」では音の視覚化をリアルタイムで行うオーディオ・ヴィジュアル・モジュールと 共に、ソフトウェアとコンピュータでプログラムされた音楽の中で、エラー構造と繰り返されるループを考察している。振付家のウィリアム・フォーサイス(フランクフルトバレエ団)、現代美術家の杉本博司、建築家の伊藤豊雄、そしてアーティスト集団ダムタイプとのコラボレーションなど多方面にわたる活動をおこなっている。また、常に世界の数多くの一流フェスティバルや展覧会でも展示や公演を行っている。