タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)の2019年秋冬コレクションが発表された。
テーマは"Pale Fogged Vison"。今季も2019年春夏コレクションに引き続き、女性アーティスト ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe)をインスピレーションの源にしたクリエーションを展開する。
コレクションで存在感を放つのは黒い服。丸みを帯びたフォルムのジャケットとスリットの入ったボトムスを組み合わせたルックや、フレアな袖口が印象的なワンピース、ビスチェをレイヤードしたかのようなブラウスなど、ブラックに染まったアイテムが目を惹く。これらはオキーフ自身がよく身に着けていたという黒い服から着想を得たものだ。
オキーフが描いた淡い花や骨、風景から見出した危ういグラデーションも、コレクション全体で表現。アイテムで言えば、シャギーなニットは、美しいブラウンのグラデーションに彩られている。スタイリングで言えば、ストライプが走るグレーのジャケットに、ブルーグレーのシャツ、ペールイエローのパンツを組み合わせるなど、巧みな配色で儚げなムードを演出した。
繊細なカラーリングにアクセントを加えるのが、ハードなパイソン柄や、メタリックな輝きを放つゴールドのプリーツスカート。儚げなカラーリングに力強い要素が組み合わさるその様は、女性アーティストの繊細さと強さを象徴しているかのようだ。
女性アーティスト、ユリヤ・グリャノヴァとのコラボレーションも継続。今季はオキーフと暮らしていたネコを描き下ろした。無数のネコを描いたアートは、軽やかなシャツやブラウスに遊び心を加えている。また、ロンドン在住のクラウス・J・シュミッドが"夢の風景(DREAM SCAPE)"をイメージして描き下ろした格子柄も、スカートなどに採用している。