ディズニーが贈る長編アニメーション映画『ライオン・キング』が、現代の最新技術で“超実写化”。2019年8月9日(金)、圧巻の映像美とスケールで大スクリーンへと蘇る。
1994年に公開された『ライオン・キング』は、ディズニー・アニメーション史上ナンバー1の全世界客動員数を記録した人気作品。サバンナの「動物の王国」を舞台に描かれるのは、生命が永遠に引き継がれることを意味する“サークル・オブ・ライフ”を軸にした、動物たちの壮大なドラマ。単なる子供向けのアニメーション作品に留まらない、強いメッセージ性を含んだこの作品は、時代を超えた今もなお多くの人々に愛され続けている。
そして2019年夏、20年以上の歳月を経て『ライオン・キング』が大スクリーンに蘇る。ディズニーが今回挑戦したのは、アニメーションでも、実写でもない、“超実写版”。これまでの映像の概念を覆すリアルな再現性で、シンバやムファサ、ティモ ン&プンバァなど、子供の頃に夢中になった“あのキャラクター”たちが、再びサバンナの地を駆け巡る。
本記事では、この新生『ライオン・キング』がどのようにして誕生したのかについてクローズアップ。“超実写版”を実現させた制作の裏側を覗いてみよう。
まず、本作を手掛けたジョン・ファヴロー監督は、原作のアニメーション作品に敬意を払いながらも、可能な限り現実に基づいた作品を完成させることを試みた。しかし、その壮大なストーリーの魅力を新たな技法で再現することは、決して生半可なことではない。そこで撮影チームが“リアル”を求めて降り立ったのが、物語の舞台・サバンナだ。
遠く離れたそのアフリカの地で、彼らはそこに広がる壮大な大自然、そして共に生きる動物たちの姿を来る日も来る日も観察した。その中でも最も注力したのが、主人公・シンバやムファサとして登場するライオンたち。本物のライオンの歩き方や、足の太さ、そしてライオンにたかるハエの数に至るまで…彼らの“リアル”について、あらゆることを分析したのだ。
そんなスタッフたちの並々ならぬ努力、そしてジョン・ファヴロー監督の作品にかける熱いパッションによって、超実写版『ライオン・キング』では、“いちキャラクター”であることを忘れてしまう程の迫力溢れる動物たちの姿を実現。毛並みや瞳の色、ヒゲ一本の動きまで、細部にまでこだわった描写が、キャラクター達に命を吹き込んでいく。主人公のシンバや、その幼馴染のナラが戯れる姿は、実際にサバンナで彼らが生活しているのではないかと錯覚してしまう程の仕上がりだ。
さらにその未知の映像美を完成させた背景には、もう1つ隠された秘密があった。それは、前人未到となる“バーチャル・スタジオ”での撮影方法。通常のCG映画は、CG映像を作成したあとコンピューター作業で完結するという手順なのだが、今回は更なる応用として“VR”を活用。
まずは、完成したCG映像をVR内へと取り込むことからスタート。次にヘッドギアを被った撮影クルーたちが、VR内に出現した“バーチャル・スタジオ”の中へと繰り出し、実写映画さながらの“ロケハン”を実施。その後その“ロケハン”で世界観を共有したクルーたちによって、カメラのアングルや照明が細かく設定され、壮大なサバンナで生きる動物たちをより生き生きと映し出すことに成功した。
このような最新技術を駆使し、現代に蘇った『ライオン・キング』。そもそも本作は、何故“今”再び映画化される必要があったのだろうか?
その理由とは、 ジョン・ファヴロー監督が、「『ライオン・キング』の大きなテーマである<サーク ル・オブ・ライフ=自然界の命は大きな環で繋がっている>に、現代に生きる私たちへの新たなメッセージ<一人ひとりが 独立した人間でありながらも、お互いに繋がっている。その中でそれぞれが果たすべき役割や生きる意味がある>ということ を見出したから」なのだ。
冒険の中で<未来の王としての使命>を見つけていくシンバの物語は、日々を忙しなく生きる私たち現代人に“本当に大切なこと”を今一度思い出させてくれるチャンスをくれるはず。“超実写版”『ライオン・キング』は、映像美だけに留まらない、新たな作品の価値を宿しているのだ。この夏は、是非あなたの大切な人と共に映画を鑑賞してみてはいかがだろう。