展覧会「生命の庭─8人の現代作家が見つけた小宇宙」が、東京・白金台の東京都庭園美術館にて、2020年10月17日(土)から2021年1月12日(火)まで開催される。

人間と自然の関係性を問い直す

ひとつの生命体として誕生して以来、変化してやまない地球の過酷な環境に適応し、独特の知性を発達させてきた人間。その一方、ヴァーチャルな空間に取り囲まれた現代の生活においては、自らが自然の一部をなすことは忘れられやすい。

そうした現代にあって美術は、人間が本能的に有している感覚を取り戻す手段の1つでもありうる。展覧会「生命の庭─8人の現代作家が見つけた小宇宙」では、緑豊かな自然に囲まれた旧朝香宮邸を舞台に、現代日本の作家による作品から、人間と自然の関係性を問い直すことを試みる。

アール・デコの館と現代作家の競演

本展では、青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、 志村信裕、山口啓介ら日本を代表する8人の現代作家が参加し、絵画や彫刻、映像、インスタレーションなどの作品を出品。ガラス工芸家のルネ・ラリックも装飾を手がけたアール・デコの館・旧朝香宮邸の空間とともに、個性豊かなの展示空間を作り上げる。

ガラス作家の青木美歌は、菌類やウィルスといったミクロなモチーフを通して、目に“見えるもの”と“見えないもの”が関わり合い、変容する生命の在りようを、ガラス作品や新作インスタレーションにより表現。また、自然に対する身体経験の記憶に基づいた制作をする康夏奈は、大いなる自然を追体験するかのような自然の圧倒的なスケールを感じさせる作品を展示する。

さらに山口啓介は、生花と造花を用いることで、自然と人工を対比させる「カセットプラント」や、それらを類比的に結びつける絵画作品を展示するとともに、会期中には「カセットプラント」のプログラムも実施。そのほか、胎児のような「人型」を描いた油彩画で知られる加藤泉も、絵画・彫刻に留まらない作品展示に加えて、自身が参加するバンド「THE TETORAPOTZ」のライブを開催する予定だ。

展覧会概要

展覧会「生命の庭─8人の現代作家が見つけた小宇宙」
会期：2020年10月17日(土)〜2021年1月12日(火)
会場：東京都庭園美術館 本館・新館
住所：東京都港区白金台5-21-9
休館日：第2・第4水曜日(10月28日(水)、11月11日(水)・25(水)、12月9日(水)・23日(水))、年末年始(12月28日(月)〜1月4日(月))
開館時間：10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
観覧料：一般 1,000円、大学生(専修・各種専門学校含む) 800円、中学生・高校生・65歳以上 500円
※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳の所持者とその介護者2名は無料
※団体の受け付けは当面のあいだ中止
※予定は変更となる場合あり(最新情報は美術館ウェブサイトを確認)
※関連企画およびプログラムは決まり次第美術館ウェブサイトにて告知、ただし各種イベントは中止または変更となる場合あり

■出品作家
青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介(50音順)

【問い合わせ先】
東京都庭園美術館 ハローダイヤル
TEL：050-5541-8600