愛媛県大洲市の大洲城で、日本初となる木造天守の城泊「大洲城キャッスルステイ」がスタート。同日より、城下町に展開する分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」がオープンする。
街のアイコンである大洲城、そして明治期の名建築臥龍山荘をはじめとした歴史的資源が数多く残る大洲市。しかし近年は、城下町を形成する古民家の取り壊しが進んでおり、町家や古民家などの歴史的資源保全が急務となっていた。そのような背景から、大洲の歴史が残る風景を未来につなげるべく、今回の2つの宿泊施設誕生に至った。
「大洲城キャッスルステイ」は、市のアイコンである大洲城の木造復元天守に宿泊できる日本初の試み。一方「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」は、城下町に分散する町屋や古民家を改修し、まち全体がホテルという構想で展開する分散型ホテルとなっている。
大洲城は、藤堂高虎、脇坂安治らにより作られた近代城郭で、国の重要文化財に指定されている櫓を有する。天守は惜しくも明治期に取り壊されたが、当時の写真や木組模型が存在し、発掘調査で経た情報をもとに木造天守として復元された。
その木造復元天守に宿泊できる「大洲城キャッスルステイ」では、あらゆる“非日常体験”がセットとなる。国の重要文化財「臥龍山荘」での殿様御膳を堪能すれば、たちまち心は“城主気分”に。
また、1617年の城主、加藤貞泰の入城シーンの再現もプランに含まれており、幟隊の歓迎から鉄砲隊による祝砲、馬で入城する城主をサポートする影武者の役割を体験できる。
なお、「大洲城キャッスルステイ」は1日1組限定で、2名1泊100万円。その他、伝統芸能や月見体験も宿泊料に含まれている。
古き良き街並みを活かした「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」には、大洲発展の歴史を語る上で欠かせない存在である加藤家藩主の名前を冠した宿泊棟が並ぶ。
ひとつは、フロント・レストランの役割を果たす「浦岡邸群 SADA棟(フロント)」。そして「村上邸 OKI棟」と「いずみや別館 TUNE棟」が設けられ、「エグゼクティブルーム」、「スダンダードルーム」、「カジュアルルーム」といった3種の部屋が用意されている。
「エグゼクティブルーム」は、建物の歴史を感じつつ、広々とした空間で快適に過ごせるラグジュアリールーム。最大4名様まで泊まれる100平米以上の広々とした空間には、1棟貸切で大洲城を眼前に望める部屋や、広いお庭と園側がある部屋などを備えている。
オリジナルの檜風呂が用意されており、自然の香りに癒されながら、ゆったりとくつろぐことができる。
歴史的価値の高い邸宅で、まちに溶け込むように泊まれる「スタンダードルーム」。歴史の積み重ねを感じる木の柱や欄間などからは、日本建築特有の美しさを感じられるだろう。どの部屋も50㎡以上あり、お風呂は折地鳴りの檜風呂を用意している。