エンジニアリングの枠を越えて建築家と創造的な協働を行う構造デザイナー セシル・バルモンドにフォーカスした展覧会「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」が、東京オペラシティアートギャラリーにて2010年1月16日から3月22日まで開催される。

模型や図面ではなく、インスタレーションがメインとなる点が今回の展覧会の特徴。展示プラン、作品配置、照明など細かな点までこだわった内容。なお、開催に先駆けて、展示の打合わせや作品をテストをするセシル・バルモンドの様子を収めたムービーが公開されている。

H型のアルミプレートとチェーンのみで成り立つ立体作品「H_edge(ヘッジ)」。この作品、一見チェーンが吊られているように見えるが、実はそうではない。プレートもチェーンも単独では自立していないが、規則的に組み合わせることでお互いを支え合い、内にも外にも無限のひろがりをもった迷宮のような空間を作り上げる。

Photo By : Alex Fradkin
《H_edge(ヘッジ)》

テクノロジーの粋を集めた現代的な建築でありながら、バルモンドがデザインする構造はその建築を訪れる人びとの奥底に眠る本能を呼び覚まし、感覚と知性を刺激する。自然の形を単に模倣するのではなく、その根源にある美しさを抽出して広がりを持った幾何学へと展開するバルモンドは、建築を既存の枠組みから解放する人としていま最も注目を集める存在となっている。

【セシル・バルモンド略歴】
1943 スリランカ、コロンボ生まれ。
1960 セイロン大学入学。
1961 両親の住むナイジェリアに移住。イバダン大学(数学、化学)
1962-65 サウサンプトン大学(シヴィル・エンジニアリング)
1966 オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ(ARUP)入社。
1971 ロンドン・インペリアル・カレッジ修士課程修了。
2002 ARUP副会長、建築部門会長に就任。
建築と構造エンジニアリングの社内研究機関
アドヴァンスト・ジオメトリー・ユニット(AGU)を創設。
2004 ARUP特別研究員就任。ペンシルヴァニア大学教授就任。

【開催概要】
展覧会名： エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界
Element Cecil Balmond
会期： 2010年1月16日(土) - 3月22日(月)
会場： 東京オペラシティアートギャラリー
開館時間： 11:00-19:00(金・土20:00まで／最終入場は閉館30分前まで)
休館日： 月曜日(最終日は開館)、2月14日［日］(全館休館日)
入場料： 一般1,200 (1000)円／大・高生1,000(800)円／中・小生600(400)円
問合せ： 03-5353-0756
Web ：
http://www.operacity.jp/ag/
http://www.operacity.jp/ag/exh114/