マーベル・コミックが生んだ孤高のヒーロー「ウルヴァリン」とSAMURAIスピリットが出会って生まれた最新作『ウルヴァリン:SAMURAI』。2013年8月28日(水)、東京・六本木でジャパンプレミアが開催された。
ハリウッドが大規模な日本ロケを敢行した本作では、ヒュー・ジャックマンと真田広之が魅せる「爪VS二刀流」の火花散るアクションシーンが一番の見どころだが、ウルヴァリンと恋に落ちるマリコ役のTAOと、ウルヴァリンの相棒となるユキオ役の福島リラ、ふたりの日本人トップモデルの鮮烈なスクリーン・デビューも見逃せない。東京都港区の増上寺をはじめ、新宿、秋葉原、上野のストリート、そしてアニメ『崖の上のポニョ』のモデルにもなった広島県福山市の鞆の浦など、日本の各地で大掛かりなロケを行った。
100台以上のTVカメラや大勢のファンを集めた六本木ヒルズアリーナに設置されたステージでは、プレミアが始まると迫力の炎の演出と共に、ヒュー・ジャックマンをはじめ、真田広之、TAO、福島リラ、そして監督のジェームズ・マンゴールドが登場。大きな歓声で迎えられた。
ヒューは、「ありがとうございます」「すばらしい」と日本語で大勢詰めかけたファンや報道陣に挨拶。「みんな、来てくれてありがとう。日本で撮影ができるという長年の夢がひとつ叶いました。素晴らしい監督やキャストと共演できて、嬉しく思います。この映画を是非とも楽しんでいただきたい」と続けた。
真田広之は「こんばんは、真田です。暑い中、ようこそおいでいただきました」と挨拶した。最後にヒューのアクセントのまねをして「素晴らしい!」と加え、ヒューとがっちり握手を交わし、キャスト間のチームワークの良さをアピール。また「ジェームズの楽しいキャラクターとヒューの穏やかな笑顔のおかげで楽しい時間を過ごすことができました。この映画ならではの日本が描かれているので、楽しんでいただければと思います」と、和気あいあいとした撮影現場の様子を振り返った。
ヒロインのTAOは「X-メンシリーズという大作に私のような演技経験がない者を抜擢していただいて、また生まれ育った日本で、この作品を発表できて感激しております」と初出演作の発表の喜びを噛み締めるように話すと、福島リラも「去年の今頃、撮影をしていました。今日の日を迎えることができてよかったです」と本作の撮影の思い出を語った。TAOが着ているペールピンクとホワイトのバイカラーのドレスはヴィクトリア・ベッカム、福島リラのブルーのドレスはトム・フォードのもの。
「ストリートや福山で行ったアクションを日本で公開されることにわくわくしています」と話すジェームズ監督や、ヒューの「ちょうど一年前、暑い時に増上寺にも行きました。福山市鞆の浦の観光大使に選ばれました。ウルヴァリンと一緒に旅行にしたくないとは思いますが、映画を楽しんでください」のコメントからも分かる通り、特に日本でのロケに対する思い入れは深かったようだ。監督の話によると、実際に撮影の際は都内ではヒューやTAOをバンに乗せて、一般の通行人の中がいる中でロケを行ったという。
「監督は、これまでに何度も演じたことがある私に『好きにやっていいよ』と任せることはせず、ウルヴァリンの持つ内面の葛藤やドラマの部分を浮き彫りにしてくれた」と、アクションシーンだけではなく、ストーリーの深さについても熱く語った。
フォトセッションが始めると、ヒューは「進んでください」と日本語で、他のキャストを誘導。終始ファンや共演者などへのサービスを忘れない、優しいヒューのキャラクターに触れ、日本のファンはこれまで以上に心をつかまれた違いない。また、ロケのエキストラとしても採用されるなどした鞆の浦の人々が、花束を持って登壇し、出演者らにサプライズで贈呈を行った。