東京都写真美術館では、展覧会「TOPコレクション 光のメディア」を、2022年3月2日(水)から6月5日(日)まで開催する。
「TOPコレクション」は、東京都写真美術館が有する約3万6千点の収蔵作品から、選りすぐりの名品を紹介する展覧会だ。「光のメディア」と題した今回は、“photograph”の語源が「光で描く」であることに着目。「光」をテーマに、記録性にとどまらない「写真の芸術性」を追求した作品を、コレクションを中心に紹介する。
写真という表現媒体は、光を紙などの支持体に取り込むことをその本質としている。実際、写真が発明されて以来、アーティストたちは光の作用を用いることでさまざまな表現形式を生みだし、時として“目には見えないもの”を表現することを、あるいは写真に収めることで見えるものの意味を変えることを試みてきた。
たとえば、20世紀前半のアメリカで活躍した作家、アルフレッド・スティーグリッツ。スティーグリッツは、写真の特性を活かして“見えないもの”を表現しようとした先駆者のひとりだった。その最晩年の作品《イクィヴァレント》では、画面に写っているのは空と雲であるものの、これら目に見えるものを通して、そこに託した自身の心のうちという不可視の対象を、観るものに想像させるのである。
本展では、このスティーグリッツの《イクィヴァレント》を筆頭に、20世紀初頭の芸術写真の発展を牽引したラースロー・モホイ=ナジやマン・レイ、フォトジャーナリズムを代表する W.ユージン・スミスなど写真界の巨匠から、田口和奈や糸井潤といった現代作家まで、29人による約100点の作品を紹介。光を表現手段とする写真の本質に立ち返り、写真の表現力を改めて考察してゆく。
展覧会「TOPコレクション 光のメディア」
会期:2022年3月2日(水)〜6月5日(日)
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月21日(月・祝)、5月2日(月)は開館)、3月22日(火)
入館料:一般 600円、学生 480円、中高生・65歳以上 300円
※オンラインによる事前予約が可能
※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者とその介護者(2名まで)、年間パスポート提示者は無料
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)
■出品作家
アルフレッド・スティーグリッツ、マイナー・ホワイト、アンセル・アダムス、バーバラ・モーガン、ウォルター・チャペル、ジャロミール・ステファニー、ポール・カポニグロ、エドムンド・テスケ、田口和奈、W.ユージン・スミス、ジェームス・ウェリング、佐藤時啓、糸井潤、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、ラースロー・モホイ=ナジ、マン・レイ、ロール・アルバン=ギョー、瑛九、杉村恒、杉浦邦恵、スーザン・ダージェス、クリスチャン・シャド、アルヴィン・ラングドン・コバーン、ハリー・キャラハン、ヨゼフ・スデック、エメット・ゴーウィン、アンナ・アトキンス、アンドレ・ケルテス、ポール・ストランド
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099