特別展「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」が、金沢21世紀美術館にて、2022年5月3日(火・祝)から9月4日(日)まで開催される。
ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホは、現代韓国を代表するアーティストデュオだ。現代社会におけるアートの機能と役割に着目し、詩的かつ象徴的なメッセージを提示する映像作品を手がけており、近年は学際的なプラットフォームを試みる共同プロジェクト「News from Nowhere」を中心に活動を展開している。
特別展「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」は、ムン&チョンの思考と活動を多面的に紹介する、日本初の大規模個展。ドキュメンタリーとフィクションの間を往還しつつ、社会システムや国家、世界のあり方を問う3点の映像インスタレーションを軸に展示し、歴史横断的な視点から世界の「今」を読み解いてゆく。
本展で初めて発表される新作《News from Nowhere: Eclipse》は、大海原で危機にさらされつつ救命ボートに暮らす男が、仮想現実の世界に取り込まれながらも、自由を追い求める姿を描いた映像インスタレーションだ。光の檻を彷彿とさせる空間の中で、音や光と同期する映像を大型LEDパネルに映しだし、迫力のある作品世界を繰り広げる。
一方で《News from Nowhere: Freedom Village》は、韓国と北朝鮮の間にある非武装地帯にある村を題材に、過去と未来の交錯を描く「Freedom Village」シリーズの最新作。サウンドや絵画、写真、テキストから構成される複合的な大型インスタレーションであり、制度や社会システムへの内省を促す空間を展開する。
さらに《世界の終わり》は、ある男性アーティストの活動を描く「現在」とポスト・アポカリプスに生きる女性が旧世界文明の調査に赴く「未来」を、2面のスクリーンを用いてパラレルに描いた作品だ。デュアル・プロジェクションの手法を駆使することで、アポカリプス前後の異なる時間軸とその接続を精緻に表現しており、ムン&チョンの代表作として知られている。
会場では、本展のために制作された新作映像インスタレーション《Silent Planet》も紹介。《News from Nowhere: Eclipse》と連環する同作は、ムン&チョンが金沢市金石地区で滞在制作を行なった際、同地で撮影した映像を通して、「誰もが消え去った不在の村」を描き出した作品だ。また、この滞在制作にまつわるドローイングやマケットなどもあわせて展示する。
特別展「ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと」
会期:2022年5月3日(火・祝)〜9月4日(日)
会場:金沢21世紀美術館 展示室7〜12
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
※観覧券販売は閉場30分前まで
休館日:月曜日(7月18日(月)、8月15日(月)は開館)、7月19日(火)、8月16日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 800円(600円)、小中高生 400円( 300円)、65歳以上 1,000円
※( )内は20名以上の団体料金およびウェブ販売料金
※ウェブ販売チケットは、2022年4月1日(金)10:00より美術館ウェブサイトにて購入可
※入場当日に限り、「コレクション展2 BLUE」(対象期間 5月3日(火・祝)〜5月8日(日))および「コレクション展1 うつわ」(対象期間 5月21日(土)〜9月4日(日))にも入場可
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館に問い合わせのこと)
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800 (代表)