企画展「ホー・ツーニェン エージェントのA」が、東京都現代美術館にて、2024年4月6日(土)から7月7日(日)まで開催される。
ホー・ツーニェンは、1976年シンガポールに生まれ、同地を拠点に活動するアーティストだ。東南アジアの歴史、思想、個人や集団のアイデンティティに独自の視点から光をあてる映像、ヴィデオ・インスタレーション、パフォーマンスを手がけており、東南アジアの政治的・歴史的な複層性を描きだしてきた。
世界各地で作品を展示してきたホーは、日本でも数多くの展覧会に参加しており、近年は豊田市美術館の個展などで新作を発表している。企画展「ホー・ツーニェン エージェントのA」では、最初期の映像インスタレーション作品から日本初公開となる最新作までを一堂に集め、ホーのこれまでの活動をたどってゆく。
本展では、ホーの 最初期の作品から、6点の映像インスタレーションを紹介。デビュー作《ウタマ─歴史に現れたる名はすべて我なり》では、シンガポールという国名の由来「シンガプーラ」と、その地を命名したとされる王サン・ニラ・ウタマにまつわる物語をめぐりつつ、イギリス人植民地行政官スタンフォード・ラッフルズを建国者とする近代の建国神話を解体すること試みている。
ホーの作品の特徴のひとつが、既存の映像や映画、アーカイブ資料などを引用し、再編している点である。たとえば《名のない人》は、第二次世界大戦中に英領マラヤの共産党総書記を務めつつ、イギリス、日本、フランスの三重スパイとして活動したライ・テックを取り上げた作品。このようにマレー半島の近現代史にまつわる人物に焦点を合わせた作品において、 ホーは、幾つもの映画の断片を繋げることで、多面的な人物に同一性を持たせることなく、その内面に迫っているのだ。
本展では、最新作《時間(タイム)のT》も公開。ホーの新たな展開ともいえる本作では、引用・アニメーション化された映像の断片が、時間の多様な側面とスケールを描きだす連なりへと編成されてゆく。その時間は、ミクロな素粒子の時間から、生命の寿命、そして宇宙における時間にまで至る。こうした時間の多面性を通して、時間それ自体、そして人々の時間の経験を問いかけてゆく。
企画展「ホー・ツーニェン エージェントのA」
会期:2024年4月6日(土)〜7月7日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
観覧料:一般 1,500円(1,200円)、大学生・専門学校生・65 歳以上 1,100円(880円)、中学・高校生 600円(480円)、小学生以下 無料(要保護者同伴)
※( )内は20名以上の団体料金
※本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者(2名まで)は無料
※ 毎月第3水曜日の「シルバーデー」は、65歳以上無料(チケットカウンターで年齢を証明できるものを要提示)
※毎月第3土曜と翌日曜の「家族ふれあいの日」は、18歳未満の子どもを同伴する保護者の観覧料半額(都内在住を証明できるものを要提示、2名まで)
※Welcome Youth 2024:4月6日(土)・7日(日)は、18歳以下(2005年4月2日以降生まれ)の観覧無料(チケットカウンターで年齢を証明できるものを要提示)
※学生無料デー Supported by Bloomberg:5月11日(土)・12日(日)は、中学生・高校生・専門学校生・大学生は観覧無料(チケットカウンターで学生証を要提示)
■同時期開催
・展覧会「サエボーグ『I WAS MADE FOR LOVING YOU』/津田道子『Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』 Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」
会期:2024年3月30日(土)〜7月7日(日)
・コレクション展「MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020/Eye to Eye─見ること」
会期:2024年4月6日(土)〜7月7日(日)
・企画展「翻訳できない わたしの言葉」
会期:2024年4月18日(木)~7月7日(日)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)