登山ドキュメンタリー映画『アルピニスト』が、2022年7月8日(金)に公開される。
映画『アルピニスト』は、“命綱なし”でたった1人、世界有数の岩壁や氷壁、数々の断崖絶壁を登る登山スタイル“フリーソロ”を貫く若きアルピニストのマーク・アンドレ・ルクレールに迫るドキュメンタリー。アメリカで権威ある第43回スポーツ・エミー賞の長編ドキュメンタリー部門、撮影賞の2部門にノミネートされ、最優秀長編スポーツドキュメンタリー賞を受賞した。
マーク・アンドレ・ルクレールは、米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を獲得した映画『フリーソロ』のアレックス・オノルドが「彼はクレイジーだ!」と語るなど、世界的アルピニストのレジェンド達からも一目置かれている存在。
マークはSNS社会に背を向けながらも、不可能とされていた数々の世界の山脈の難所に挑み、次々と新たな記録を達成。マークが命懸けで前人未到の挑戦を続ける理由は、「単に楽しみたいから」。偉業を成し遂げながらも、名声を求めない彼の性格から世間的な知名度はほぼ皆無だった。
『アルピニスト』では、そんな知られざるアルピニスト・マークに焦点を当て、断崖絶壁をものともせず、体力と精神力の極限に挑む様子を映し出す。雄大な自然を背景に、マークの息遣いまでもが伝わってくるような臨場感溢れるクライミングシーンは、思わず手に汗握るような迫力だ。そしてマークは、最難関の山の一つ、トーレ・エガーの冬季単独登頂に挑戦していく。
マークをはじめ、なぜアルピニストたちは危険な山への挑戦を続けるのか。
クライミングの歴史を遡ると、1950年代ごろを境に、技術革新によってより軽装備かつ少人数の登山スタイルが定着。すると、アルピニストたちはより急で危険な斜面を、より速く身軽に上ることができるようになった。それに伴うようにして、1950年には、フランスの山岳隊がネパール中部にそびえ立つ高峰アンナプルナの初登頂に成功。また、1953年にはヒマラヤ山脈のエベレスト、そして1956年にはマナスルの初登頂など、1950年代には当時前人未到だった8,000メートル超の高峰の初登頂が連続して達成された。
技術革新に押し上げられるようにして、クライミングのレベルが上がり、そしてアルピニストたちの意識もより高みを目指すように変化を遂げたのだった。純粋に高みを目指したい、ただひたすらに、目の前にある山を制覇したい、という往年のアルピニストたちに相通じるDNAを色濃く受け継いでいるのが、まさに『アルピニスト』の主人公であるマークだと言える。
『アルピニスト』の監督を務めたのは、これまで数多くの登山にまつわるドキュメンタリー映画を製作してきたピーター・モーティマーとニック・ローゼン。彼ら自身も登山経験が豊富で、クライミングの魅力や危険性を熟知しているからこそ撮ることのできた、迫力満点の映像に注目したい。
【詳細】
映画『アルピニスト』
公開日:2022年7月8日(金)
出演:マーク・アンドレ・ルクレール、ブレット・ハリントン、アレックス・オノルド ほか
監督:ピーター・モーティマー、ニック・ローゼン
制作:レッドブルメディアハウス
配給会社:パルコ ユニバーサル映画
2021年/英語/アメリカ映画/G/93分/ビスタ