企画展「部屋のみる夢 ─ ボナールからティルマンス、現代の作家まで」が、箱根のポーラ美術館にて、2023年1月28日(土)から7月2日(日)まで開催される。
生活様式が大きく変化した2020年以降、移動が制限された状況のなかで多くの人びとが時を過ごすことになった場所が、「部屋」だろう。室内での生活は、安心感と閉塞感が隣り合っている一方、親しい人たちやかけがえのないものとの関係が紡がれる場でもあるといえる。
企画展「部屋のみる夢 ─ ボナールからティルマンス、現代の作家まで」では、19世紀から現代に至る、「部屋」にまつわる美術作品約50点を紹介。ヴィルヘルム・ハマスホイやピエール・ボナール、アンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンスなどを取り上げ、「部屋」という小さな世界の中で織りなされる記憶や夢想のありように光をあててゆく。
閉じられた室内で起こる出来事や、窓から差し込む光などは、古くから芸術家の着想源となり、部屋はさまざまな作品に描かれてきた。近代化以降には、社会的な地位や個人の趣味を反映する部屋の表現は、とりわけ絵画の重要な主題となっている。本展では、部屋に対する意識や日常における位置付けが変化しつつある今日の視点から、部屋をめぐるさまざまな表現を再考する。
会場では、草間彌生とヴォルフガング・ティルマンスの新収蔵作品を初公開。草間がベッドをモチーフに手がけた作品2点のうちの1点である《ベッド、水玉強迫》は、本来ならば心身を休める役割を持つベッドを、無数の突起物で覆うことで変容させた作品だ。一方、写真の新たな可能性を切り拓くことを試みているティルマンスの作品では、《静物、ボーン・エステート》など、日常生活と制作の場である室内を捉えた写真を目にすることができる。
また、髙田安規子・政子や佐藤翠+守山友一朗といった、部屋に対する新しい見方を反映する現代作家の作品も展示。たとえば髙田安規子・政子は、身近な事物や風景を用いて、スケールや時間の感覚を揺るがす緻密なインスタレーションを手がけてきた。本展では、室内と屋外をつなぐ窓や扉に着目することで、パブリックとプライベートの境界のあり方を再考する作品を紹介する。
企画展「部屋のみる夢 ─ ボナールからティルマンス、現代の作家まで」
会期:2023年1月28日(土)~7月2日(日) 会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1・3
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般 1,800円(1,500円)、シニア(65歳以上) 1,600円(1,500円)、大学・高校生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料、障害者手帳の所持者および付添者(1名まで) 1,000円(1,000円)
※( )内は15名以上の団体料金(要予約)
※臨時休館の場合あり
■出品作家
ベルト・モリゾ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール、アンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンス、髙田安規子・政子、佐藤翠+守山友一朗
【問い合わせ先】
ポーラ美術館
TEL:0460-84-2111