京都の細見美術館では、展覧会「細見コレクション 江戸時代の絵画」を、2022年12月13日(火)から2023年2月12日(日)まで開催する。
細見美術館は、二代古香庵・細見實が熱心に蒐集した琳派や伊藤若冲の作品をはじめ、江戸時代のさまざまな絵画を所蔵している。展覧会「細見コレクション 江戶時代の絵画」では、同館のコレクションから、江戸時代に描かれた絵画を紹介。琳派や若冲の作品ばかりでなく、これまで紹介される機会の少なかった作品も目にすることができる。
たとえば、琳派の絵師・鈴木其一による《水辺家鴨図屛風》。其一は、江戸琳派の祖・酒井抱一の弟子であり、古典的な意匠性と近代を予感させる写実性を融合させ、幕末の江戸で活躍した。水辺に集う家鴨の群れを金地に描いた《水辺家鴨図屛風》においても、大きく弧を描く水辺や同一のモチーフを連ねる構成に見るように琳派の様式を踏襲しつつも、家鴨のくちばしや水掻きなどを写実的に描いている。
18世紀になると、中国から伝わった文人画が日本でも最先端の絵画として広まることになる。文人画においては、描く対象の形ではなく、そこに宿る本質や作者の心情が重視され、世俗を離れた理想郷などがテーマに選ばれている。会場では、文人画の大成者・池大雅による《児島湾真景図》を展示。瀬戸内を周遊した際に目にした情景を描いたとされる同作において、人物は唐風の風俗で描かれている。大雅はこのように、自ら旅した地を理想化し、美しい思い出として描いている。
また、特集展示「細見古香庵 数寄がたり」もあわせて開催。《芦屋霰地楓鹿図真形釜》(重要文化財)をはじめ、数寄者・古香庵が愛蔵した茶の湯釜や茶碗などを紹介する。
展覧会「細見コレクション 江戸時代の絵画」
特集展示「細見古香庵 数寄がたり」
会期:2022年12月13日(火)〜2023年2月12日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:細見美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(12月26日(月)〜1月4日(水))
入館料:一般 1,300円、学生 1,000円
※会期や開館時間などは変更となる場合あり( 詳細については美術館ホームページを確認のこと)
【問い合わせ先】
細見美術館
TEL:075-752-5555 (代)