画家・天野喜孝には、⻑年、本当に描きたいテーマがあった。誰から依頼されたわけでもないそのテーマは、画家・天野にとって「いつかは描かなくてはならない」ものだった。しかし…あまりに巨⼤すぎて、ベテラン天野すらどこからどう⼿をつけていいか考えあぐねていた。それは「ギリシア神話」だ。ゲーム、アニメ、ファンタジー、物語、ファインアートで活動してきた天野にとって避けては通れない“すべての原点”であり、畢⽣の超⼤作となるはずだった。古今東⻄多くの画家たちを魅了してきたこのギリシア神話と、21世紀の今、天野はどう向き合おうというのか。
「ただ描くだけじゃつまらない。どうせなら誰も描いたことがないスケールでやってみたい」オリュンポスの神々であるゼウス、ヴィーナス、アテナ、ポセイドン、アルテミスらとそれに対抗する獰猛で巨⼤な神々が、圧巻のスケールで動き出し、暴れ出し、ぶつかり合う。この映画は、多くのジャンルでトップをきわめた⼀⼈の画家が⼰の画業のすべてをかけて超⼤作に挑む壮⼤なドラマを描くものだ。天才画家の知られざる制作過程と、その孤独な戦いを1年以上かけて密着・記録する。
映画『神話に挑む 天野喜孝ドキュメンタリー(仮題)』は、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクター設定イラストやイメージイラストを手掛けたことで知られる天野喜孝の、素顔と製作過程に迫る世界初のドキュメンタリー映画。監督は岩間⽞。