映画『アンダーニンジャ』が、2025年1月24日(金)より全国公開される。
現代の日本で暗躍する忍者の戦いを描いた、花沢健吾の人気コミック「アンダーニンジャ」。主演 山﨑賢人、監督 福田雄一で贈る実写化映画では、浜辺美波や間宮祥太朗、白石麻衣といった豪華キャストが共演。主人公・雲隠九郎が属する忍者組織「NIN(ニン)」と敵対組織「UN(アンダーニンジャ)」の攻防が、アクションシーン満載で展開される。
透明化するスーツ、刃が飛び散る手裏剣、衛星から放たれるレーザー砲など、最新テクノロジーを駆使した戦いも注目だ。
今回は、宅配便の配達員姿で“忍務”を遂行する「NIN」のエリート忍者・加藤役の間宮祥太朗へインタビューを実施。映画の魅力や役作りについて、また俳優を志したきっかけや休日の過ごし方などをたっぷりと語らってもらった。
はじめに、映画の見どころを教えてください。
壮大なスケールでかっこいいシーンが満載な一方で、笑ってしまうような日常シーンがおさまっている映画です。その落差によって生まれる独特のテンポとリズムが特筆すべき魅力だと思います。
間宮さんは、主人公の九郎に重大な任務を言い渡す中忍・加藤を演じられましたが、役作りで意識したことはありますか?
加藤は存在感が有るようでいて無いと言いますか、確かに印象的なキャラクターではあるけれど忍者なので存在感は薄く……、そのバランスが難しかったですね。原作漫画があり温度感を掴みやすかったので、とにかくキャラクターに寄せることを意識しました。アニメも放送されていたので、声優さんの声によって出来上がっている加藤のキャラクター像は役作りの参考になりました。
迫力のあるアクションシーンも見どころですよね。
“現代の忍者”ということで、様々なギミックを使ったシーンも楽しめると思います。刀のアクションも経験したのですが、1番苦労したのは、ワイヤーで身体を吊って、地面と平行な状態で仰向けからうつ伏せの体勢になるみたいなアクションですね。全く経験がなかったので、コツを掴むまでにちょっと時間がかかりました。
具体的に役者に興味を抱いたのはいつごろでしたか?
中学生ですね。厳密に言うと、映画か音楽に関わる仕事をしたいと感じていました。自分がプレイヤーをやりたいのか、裏方のような役割をしたいのかは明白ではなかったのですが、自分の中では映画と音楽っていうのが2大巨頭で、精神を占める割合として大きかったです。
幼少期から映画や音楽に囲まれていたのでしょうか?
小さいときは、両親と一緒に映画を見たりする程度でした。音楽をしている人は身近には誰もいなかったのですが、気づいたら映画と音楽にのめり込んでいたんです。
なかでも印象に残っている作品はありますか?
映画館で見た雪山の映画『バーティカル・リミット』はすごく覚えています。それと近所のレンタルビデオ屋さんで作品をいっぱい借りて、邦画、洋画問わず色々見ていました。あと10代中盤ぐらいに見た鈴木清純さんの『ツィゴイネルワイゼン』はすごい好きだなと思ったのと……挙げるとキリがないですね (笑) 。
ちなみに最近は、映画館で見た『ルックバック』が印象に残っています。あと話題になっているドラマも見ていて、「地面師たち」や「アンメット ある脳外科医の日記」は素晴らしかったです。
当時スクリーンで見ていた憧れの役者さんはいますか?
今も作品を見ていると、色々な役者さんに対して憧れの感情を抱きます。具体的に誰かというより、素敵だなと思う役者さんが演じる“個人的ベストアクト”はあの作品だよな〜と考える方が多いです。
例えば、どなたでしょうか?
おひとり挙げるとすれば『ヒメアノール』の森田剛さんの演技です。森田さんの『ヒメアノール』こそベストアクトだと個人的に感じていて、感銘を受けました。
10代から長くご活躍されていますが、モチベーションは維持できますか?下がってしまうときはありますか?
もちろん、そういった瞬間はありますが、モチベーションが下がっている間は、上がるきっかけや出来事を待つしかないです。
ひたすら待ち続けますか?趣味でリフレッシュしたりなどは?
趣味は趣味で自分の人生を彩るものではあるのですが、演技とは繋がっていなくて……。趣味でめちゃめちゃリフレッシュしたから頑張ろう!とはなれないんですよね。お芝居をするなかで今までに無い感覚を覚えたり、バーって開く瞬間みたいなのを経験したりするとモチベーションが上がります。
最近はそういった作品に出会えましたか?
先ほどお話した、森田剛さんと共演した舞台「台風23号」です。10年ほど前からご一緒したいと思っていた赤堀雅秋さんが演出を手掛けていて、すごく尊敬できる方たちがいる座組でした。色々な事に追われることもなく、作品とお芝居だけにフォーカスした時間を過ごせて、役者としてのモチベーションが上がる日々でした。
釣りが趣味と拝見しましたが、近頃は行かれていますか?
最後に釣りに行ったのは夏ぐらいです。最近の休日は植物を育てたり、キャンピングカーをレンタルして友達と出かけたりなど、色々やっています。
釣りはここ数年で始めたのですが、実は小さい頃に『リバー・ランズ・スルー・イット』というロバート・レッドとブラッド・ピットの映画に憧れて、フライフィッシングをやったことがあります。
やりたい!とご両親に言ったりして?
言いました(笑)。その後やめてしまったのですが、当時から川とか自然が好きだったんだなと思います。大人になってまた釣りを始めましたが、魚を釣るために試行錯誤してる時間は子供の頃から好きでした。自然の中に身を置いて何かをすることが好きなんでしょうね。
以前インタビューさせていただいた2019年の映画『殺さない彼と死なない彼女』から5年ほど時が経ちましたが、変わったことはありますか?
懐かしいですね。自分はすごく忘れていってしまう性格なんです。ただ、あれから色んな現場を経験した上で振り返ると、小林監督のあの現場はすごく贅沢な現場だったなというのをあの時以上に思います。
具体的にどういったところが?
例えば、とにかく時間をたっぷり使って、ワンシーンワンカットを撮るところですね。当時のインタビューでも話していましたけど、 照明部さんがいなくて、監督自らが太陽の様子を見て自然光で撮影してたんです。天気の都合で本番にはいかずにリハーサルだけやる日もあって、美しいカットやシーンを撮るためだけに、贅沢な時間を過ごせる現場だったなと思います。
近年は大ヒットしたミステリー映画『変な家』をはじめ、青春を描いたラブコメ、人気漫画の実写化作品など、多岐にわたって活躍されていていますが、理想とする役者像はありますか?
絶対にそれが良いという役者像があるわけではありませんが、技術ではどうにもならない存在感、奥深さがある役者さんが好きです。そこに佇んでいるだけで想像力をかき立てたりとか、緊張感が漂ったりとか、その人から発せられる人間としての魅力がある人になれたら良いなと考えています。
次なる目標のようなものがあればお聞かせください。
目標は今までもなかったので、これからもないです。進み続けた結果、たどり着いたところが良い場所だったらいいなと思っています。
これからも役者を続けていくと思いますか?
もちろん続けていく気はありますが、絶対!生涯!続けます!というよりかは「続いていきたいなと思った結果がずっと続いていくといいな」みたいな考えです。1日1日を積み重ねた結果がこうなればいいなみたいな、元々そういう性格なんだと思います。
【作品詳細】
映画『アンダーニンジャ』
公開日:2025年1月24日(金)
出演:
山﨑賢人
浜辺美波
間宮祥太朗 白石麻衣
山本千尋 宮世琉弥 坂口涼太郎 長谷川忍(シソンヌ)
木南晴夏 ムロツヨシ / 岡山天音 平田満 佐藤二朗 ほか
原作:花沢健吾『アンダーニンジャ』(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本・監督:福田雄一
音楽:瀬川英史