「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす。」そんな⺟親の教えを信じ、35年間、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。⾝の回りのすべてを⺟親が管理し、ただそれに従うだけの⽇々を送っていた。ある⽇、何の前触れもなく”⽗親”だと名乗る男が帰ってきたことをきっかけにバビーの⼈⽣は動き出す。⾔葉、⾳楽、暴⼒、宗教、美味しいピザ……刺激に満ち溢れた外の世界に、純粋無垢なバビーが⼤暴⾛︕⾏く先々で出会う誰もが彼の⾃由で荒々しいスタイルに巻き込まれていく。
映画『悪い子バビー』は、オランダ⽣まれオーストラリア育ちのロルフ・デ・ヒーアが監督・脚本を手掛けた作品。脚本の完成までに10年以上の年⽉をかけたという。1993年に制作された『悪い子バビー』は、観客に衝撃と感動を与え、ヴェネチア国際映画祭にも出品。審査員特別賞ほか全3部⾨を受賞した。また、全世界20ヵ国以上で上映されたものの、日本では『アブノーマル』というタイトルでVHSが発売されたのみにとどまっていたが、30年の時を経て、2023年に日本で初の劇場公開を迎える。