物語は、7歳のノラが小学校に入学するところから始まる。内気な彼女にとって、見知らぬ子どもたちがあちこちで叫び声を上げ、無闇に走り回る学校はまさにカオスだった。友だちがひとりもいないノラには校内での居場所がなかったが、やがて同じクラスの2人の女の子と仲良くなっていった。そんなある日、ノラは3つ年上の兄・アベルが大柄なガキ大将にいじめられている現場を目撃。優しい兄が大好きなノラはショックを受け助けたいと思うが、アベルは「誰にも言うな」「そばに来るな」と命じてくる。その後もいじめは続き、一方的にやられ続けるアベルの気持ちが理解できないノラは、やり場のない寂しさと苦しみを募らせていく。
映画『Playground/校庭』は、小学校の敷地内を舞台に、全編を主人公である7歳の少女の視点で描いた作品。すべて子どもの目の高さで撮影を行い、子どもたちの葛藤と恐怖、そしてたくさんの苦難を乗り越え成長を遂げていく姿を映し出す。監督・脚本は、映画『Playground/校庭』で長編デビューとなるベルギーの新鋭、ローラ・ワンデル。主演は約100人の中から選出されたマヤ・ヴァンダービークが務め、繊細で豊かな感情表現を披露する。