展覧会「即興 ホンマタカシ」が、東京都写真美術館にて、2023年10月6日(金)から2024年1月21日(日)まで開催される。
ホンマタカシは、1962年東京に生まれた写真家だ。1999年に木村伊兵衛写真賞を受賞した写真集『東京郊外』では、行政やデベロッパーによる画一的な開発が進む東京郊外の風景と人々を、一定の距離をおいて撮影しており、抒情性を廃した視点で高く評価されている。
ホンマは近年、カメラの原型とされるカメラ・オブスクラの原理に着目して撮影を行ってきた。「暗い部屋」を意味するカメラ・オブスクラは、暗室の壁に小さな穴を開け、この穴を通過した光によって、屋外の風景が暗室内に倒立像として映しだされる。ホンマは、建築物の1室をこうしたピンホールカメラに仕立て、世界各地の都市を撮影したシリーズ「THE NARCISSISTIC CITY」を手がけている。
展覧会「即興 ホンマタカシ」は、日本の美術館で約10年ぶりに開催されるホンマの個展。自ら「都市によって都市を撮影する」と述べる「THE NARCISSISTIC CITY」シリーズを中心に、これと同様の手法を用いて、葛飾北斎の「富嶽三十六景」に着想を得て富士山を写したシリーズ「Thirty-Six Views of Mount Fuji」など、約50点の作品を紹介する。
本展のキーワードのひとつが、展覧会タイトルにも用いられている「即興」だ。ホンマの現在の関心が、作品や展覧会に偶然性を取り入れることだという。たとえば「THE NARCISSISTIC CITY」シリーズにおいては、ピンホールカメラに仕立てた部屋の中には、都市の風景が即興的に映しだされることになるのだ。
また、ホンマの映像作品を紹介する上映特集を、美術館の1階ホールにて開催。初公開となる新作を含む映像作品を上映予定だ。
展覧会「即興 ホンマタカシ」
会期:2023年10月6日(金)〜2024年1月21日(日)
会場:東京都写真美術館 2F 展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)、12月29日(金)〜1月1日(月・祝)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中学生・高校生・65歳以上 350円
※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料
※1月2日(火)・3日(水)・21 日(日、開館記念日)は無料
※オンラインで日時指定チケットを購入可
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099