企画展「イメージと記号 1960年代の美術を読みなおす」が、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて、2023年12月9日(土)から2024年2月12日(月)まで開催される。
1960年代後半は、日本の若手作家が国際的に活躍した時代であった。この時期、新たに登場したのが、記号や幾何学を取り入れた理知的な美術動向である。視覚を惑わすだまし絵のような表現や、量産された「マルチプル・オブジェ」といった作品は、「見る」ことを中心とした美術の在り方や、美術作品のオリジナリティを問い直すものであったといえる。
企画展「イメージと記号 1960年代の美術を読みなおす」は、社会に溢れるイメージを、知性とユーモアでもって美術表現へと昇華した、1960年代の作品に着目。神奈川県立近代美術館のコレクションを軸に、堀内正和、岡崎和郎、宮脇愛子、高松次郎、若林奮などを紹介する。
本展では、芸術の「オリジナリティ」を逆手にとった、1960年代の表現を紹介。当時、「発注芸術」という言葉が生まれたように、インテリア・オブジェから雑誌の付録にいたるまで、工業的な美術作品の制作が流行している。会場では、独自のマルチプル芸術を切り拓いた岡崎和郎が60年代に手がけた代表作や、岡崎と堀内正和の共作《prière de plier》、山口勝弘のインテリア・オブジェなどを展示する。
また、斬新な展覧会が数多く開催された画廊「内科画廊(ないかがろう)」にも着目。急進的な美術作品発表の舞台となっていた展覧会「読売アンデパンダン展」が幕を閉じたのち、1960年代に前衛美術家が拠点としたのが、内科画廊であった。本展では、彫刻家・若林奮が画廊主の宮田國男へと贈った作品を起点に、両者の交流に光をあてる。
企画展「イメージと記号 1960年代の美術を読みなおす」
会期:2023年12月9日(土)〜2024年2月12日(月)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)、2月12日(月・振)のぞく)、12月29日(金)〜1月3日(水)
観覧料:一般 700円、20歳未満・学生 550円、65歳以上 350円、高校生 100円、中学生以下 無料
※障害者手帳、ミライロID、療育手帳などの提示者および介助者原則1名は無料
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:1月7日、2月4日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上のぞく)で観覧可
【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
TEL:0467-22-5000