展覧会「没後50年 生誕120年 奥村厚一 光の風景画家展」が、京都市京セラ美術館 本館にて、2024年7月19日(金)から9月8日(日)まで開催される。

奥村厚一、京都市京セラ美術館で48年ぶりの回顧展

風景表現を一貫して追求した昭和時代の日本画家、奥村厚一(おくむら・こういち)。今回開催される展覧会「没後50年 生誕120年 奥村厚一 光の風景画家 展」は、京都市京セラ美術館では48年ぶりとなる奥村の回顧展だ。会場では、奥村の初期から晩年までの制作を各時期の代表作によって振り返るほか、制作の原点ともいえるスケッチを併せて公開する。

精緻な筆致で描く風景画

明治37年(1904年)京都に生まれた奥村は、昭和4年(1929年)に《山村》が帝展で初入選して以来、官展を中心に活動。京都や近隣の土地を題材にしながら精緻な筆致で季節を鋭く捉えた風景画を手がけた。本展では、雄大な山々に囲まれた小さな集落を描く《夕光》といった風景画と対面することができる。

太い輪郭や大胆な抽象化を伴う画風へ

しかし戦後の昭和23年(1948年)には、上村松篁(うえむら・しょうこう)らとともに美術団体「創造美術(現・創画会)」を結成し、官展を離れて活動。従来の日本画表現に疑問を投げかけ、自身の制作を問い直すなか、それまでの繊細な描線から、太い輪郭線を用い、対象を面として大きく捉える風景表現へと作風を変化させた。さらに、描く対象を大写しにし、大胆な抽象化を施すことで、自然の大胆な表情や生命感を強調する作品も生み出している。こうした時期の作品から、《浪》や《赤松の林》、《黒潮》といった作品が展示される。

自ら山や自然へ踏み込んで描くスケッチ

また、奥村が“山の画家”と称されるきっかけのひとつとなったスケッチにも注目。奥村は、生涯を通して自ら山や自然の中へと入っていき、目に映る風景をそのまま精緻に描いたスケッチの数々を残している。そんなスケッチの中より、《大蛇嵒(だいじゃぐら)》や《潮岬》などの作品を紹介する。

展覧会概要

展覧会「没後50年 生誕120年 奥村厚一 光の風景画家 展」
会期：2024年7月19日(金)〜9月8日(日)
会場：京都市京セラ美術館 本館 北回廊 1階
住所：京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
時間：10:00〜18:00
休館日：月曜日(祝・休日は開館)

〈チケット情報〉
発売日：4月20日(土)10:00
販売場所：イープラス、京都市京セラ美術館公式オンラインチケット、チケットぴあ、ローソンチケット(Lコード：53878)、楽天チケット
料金：
・前売券 一般 1,600円／大学・高校生 1,100円／小・中学生 800円
・当日券 一般 1,800円／大学・高校生 1,300円／小・中学生 1,000円
・図録付きプレミアム・チケット 4,300円

※写真の無断転載を禁ずる。

【問い合わせ先】
京都市京セラ美術館
TEL：075-771-4334