映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』が、2018年5月12日(土)より全国公開される。第90回アカデミー賞&第75回ゴールデン・グローブ賞をはじめ、107の映画賞にノミネート57受賞されている話題作だ。監督は鬼才”ショーン・ベイカーが務める。
物語の舞台は、世界屈指の観光地「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」があるアメリカ・フロリダ。鮮やかなブルーの空、カラフルなギフトショップ。どこか現実離れした “夢の国”の近くには、その煌びやかさとは裏腹に、普通のアパートに入居することができない人々が暮らす安モーテル街があった。
主人公は、その日暮らしを送る6歳の少女・ムーニーとシングルマザーのヘイリー。一泊約40米ドルで宿泊可能な安モーテルは、永住の住まいを確保できない彼女たちにとって避難所のような存在だ。職なし、家なしの状態で必死に生きる“たった2人の家族”を中心に、ひと夏の物語が描かれる。
住んでいるところは安モーテル、遊び場所は寂れたギフトショップの周辺。モーテルの家賃を捻出するのにいっぱいいっぱいの母親。作品の中には厳しい現実がたくさん転がっているが、すべて6歳の少女・ムーニーの視点から切り取られているため、作品全体にはワクワクとさせるムードが広がっている。
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』を監督したショーン・ベイカーはこれまでも”社会の片隅で生きる人々”を描いてきた。彼のの作品の面白さは、ユニークな制作手法にある。「いつも同じやり方で映画を始めるんだ。この企画に参加したいかどうかを地元の人たちに尋ねるんです」と話す通り、物語の舞台=つまり現場をリサーチするところから始める。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』は約3年に渡ってリサーチ旅行を繰り返し、実際にモーテルにも何度も宿泊して構成を完成させた。その経緯についてインタビューを実施。
主人公ムーニー役には、“第2のダコタ・ファニング”と評される子役、ブルックリン・キンバリー・プリンス。「ブルックリンは、僕がこれまで会ったあらゆる年齢層の俳優の中も、最も優れた一人だね」とショーン監督が評した彼女は、既に『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で数々のブレイクスルー賞を受賞している。
ムーニーの母親ヘイリー役には、映画初出演となるブリア・ヴィネイト。何千ものインスタグラマーから探し出してスカウトした人物に「僕らがヘイリーというキャラクターに思い描いていた特徴をすべて兼ね備えていたんだ。」とショーン監督はコメント。テンションが高くて気楽で面白いという、彼女のパーソナリティが生き生きと作品に反映されている。
そしてムーニーやモーテルで暮らすみんなの父親のような存在である管理人ボビーは、『スパイダーマン』シリーズ1作目のグリーン・ゴブリン役や『セブン・シスターズ』のウィレム・デフォーが担当。
ムーニーの親友ジャンシーには、撮影現場近くの量販店でショーン監督が見つけ、オーディションに招いたヴァレリア・コット。そして、実際に192号線のモーテルに家族と住んでいた少年クリストファー・リヴェラも、ムーニーの友人・スクーティに抜擢されている。
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく。
作品詳細
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
公開日: 2018年5月12日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:ショーン・ベイカー
脚本:ショーン・ベイカー、クリス・バーゴッチ
出演:ブルックリン・キンバリー・プリンス、ブリア・ヴィネイト、ウィレム・デフォー
配給:クロックワークス