漫画の中でも、よりシリアスな世界観を描く「劇画」。辰巳ヨシヒロは、その名付け親であり、第一人者として知られる漫画家だ。彼の半生を描いた映画『TATSUMI マンガに革命を起こした男』が、2014年11月より角川シネマ新宿ほか全国で順次公開される。
この『TATSUMI』は、2009年手塚治虫文化賞大賞を受賞した辰巳ヨシヒロ『劇画漂流』を基に、彼の半生を描き出したドキュメンタリーアニメーション作品。大人が楽しめるエンターテイメントの可能性を追求し続け、葛藤と苦悩を繰り返した辰巳を、カンヌ国際映画祭の常連として知られるシンガポールの映像クリエイター、エリック・クーの監督により、映像作品へと昇華した。
それまで子ども向けの笑いの要素が強かった漫画を、時事問題や社会情勢を反映させることで、大人の読み物に変えていった辰巳。マンガにおけるカンヌとも言われる「アングレーム国際漫画祭」で特別賞を受賞するなど、海外での評価は高かった。しかしながら、日本で辰巳の名はあまり知られていない。そんな彼の苦悩、そして手塚治虫を嫉妬させたとまで言われる才能が、アニメーション映像を通して、徐々に紐解かれていく。
【公開情報】
TATSUMI マンガに革命を起こした男
公開:2014年11月 角川シネマ新宿ほか全国順次公開
監督:エリック・クー
原作:辰巳ヨシヒロ「劇画漂流」
声の出演:別所哲也(一人六役)、辰巳ヨシヒロ
配給:スターサンズ
2011/シンガポール/96分/日本語/原題:TATSUMI
(c)ZHAO WEI FILMS