傑作戯曲を映画化。映画『夏の砂の上』が、2025年7月4日(金)に公開される。主演・共同プロデューサーをオダギリジョーが務め、髙⽯あかり、松たか⼦、満島ひかりが共演。
原作となるのは、雨の降らない長崎を舞台にした、松⽥正隆による戯曲「夏の砂の上」。物語の主人公は、息⼦を亡くした喪失感から⼈⽣の時間が⽌まり、妻からも⾒限られてしまった男。妹が置いていった17歳の姪との突然共同生活を送ることになり、それぞれの痛みと向き合いながら⼩さな希望の芽を⾒つけていく姿を描いている。
細やかな心情描写の中、切なさと温かさが交錯する戯曲「夏の砂の上」は平⽥オリザが1998年に舞台化し、1999年に松⽥正隆が読売⽂学賞にて戯曲・シナリオ賞を受賞。2022年には、栗山民也演出・田中圭主演で舞台『夏の砂の上』の公演が行われたのも記憶に新しい。
満を持しての映画化される『夏の砂の上』では、全編オール⻑崎ロケを実施。坂の多い⻑崎の美しい街並みの中で、乾ききった心に沁み込んでいくような一筋の希望の物語を描き出していく。
主人公・⼩浦治…オダギリジョー
幼い息⼦を亡くした喪失感にさいなまれ、妻とも別居中。働いていた造船所が潰れても新しい職を探さず、ふらふらしていたところ、妹の阿佐⼦から頼まれ、姪の優子と突然同居生活を送ることになる。
優⼦…髙⽯あかり
治の17歳の姪。⽗親の愛を知らずに育ち、母の阿佐⼦が福岡に行くため、長崎にいる治の元へ置いて行かれる。
⼩浦恵⼦…松たか⼦
治の妻。悲しみを共有しともに再スタートすることができない夫、治への「静かな怒り」を秘めている。
阿佐⼦…満島ひかり
治の妹。自由奔放な性格で、⽗親のいない優⼦を兄の治に預け、福岡にいる男の元へ行ってしまう。
⽴⼭…⾼橋⽂哉
優⼦へ好意を寄せるバイト先の先輩。
陣野…森⼭直太朗
治が働いていた造船所の同僚。
持⽥…光⽯研
造船所の同僚。
映画『夏の砂の上』主人公・⼩浦治を演じるのは、『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』でも監督を務めるなど、俳優業だけでなく監督やプロデューサーとしても活躍するオダギリジョー。本作においても、共同プロデューサーに名を連ねている。
また、治の姪である優子役は『ベイビーわるきゅーれ』シリーズや『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の髙⽯あかりが演じ、治の妻・⼩浦恵⼦役は『ファーストキス 1ST KISS』にも出演する松たか⼦が担当し、長崎弁に初挑戦している。治の妹に満島ひかり、治が働いていた造船所の元同僚に森⼭直太朗のほか、⾼橋⽂哉、 光⽯研と豪華俳優陣が集結している。
映画『夏の砂の上』の監督・脚本を務めるのは、演出家の⽟⽥真也。自身の劇団「⽟⽥企画」でも2022年に『夏の砂の上』の舞台を上演するなど、玉田にとって思い入れの深い作品であり、念願かなって映画化を実現させた。
『夏の砂の上』の物語について、玉田は「僕たちが⽣きる上で避けられない痛みや、それを諦めて受け⼊れていくしかないという虚無、そして、それでも⽣はただ続いていくという、この世界の⼀つの本質のようなものがセリフの流れの中で、どんどん⽴体的に浮かび上がってくる素晴らしい作品」と語っている。
⾬が⼀滴も降らない、からからに乾いた夏の⻑崎。幼い息⼦を亡くした喪失感から妻・恵⼦と別居中の⼩浦治。働いていた造船所が潰れても新しい職を探さず、ふらふらしている治の前に、妹の阿佐⼦が、娘の優⼦を連れて訪ねてくる。阿佐⼦は、1⼈で博多の男の元へ⾏くためしばらく優⼦を預かってくれという。こうして突然、治と姪・優⼦との同居⽣活が始まることに。
高校へ行かずアルバイトをはじめた優子は、そこで働く先輩の立山と親しくなる。不器用だが懸命に父親の代わりをつとめる治との二人の生活に馴染んできたある日、優子は、恵子と治が言い争う現場に鉢合わせてしまう……。
【作品詳細】
映画『夏の砂の上』
公開日:2025年7月4日(金)
監督・脚本:⽟⽥真也
出演:オダギリジョー、髙石あかり、松たか子、森山直太朗、高橋文哉、篠原ゆき子、満島ひかり、斉藤陽一郎、浅井浩介、花瀬琴音、光石研
⾳楽:原摩利彦
原作:松⽥正隆(戯曲「夏の砂の上」)
配給:アスミック・エース