ベストセラー作家の原田マハが、著作を原作にオリジナル脚本を執筆して映画監督デビュー。映画『無用の人』が2026年に公開される。
美術館のキュレーター経験を持つ原田マハは、幅広いアートの知識を活かした小説「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」などを手掛けた作家。『キネマの神様』『総理の夫』『風のマジム』など、数々の映画化作品でも知られている。
そんな原田が、2014年に刊行した短編集「あなたは、誰かの大切な人」に収録された一編「無用の人」を原作に、映画監督デビュー。オリジナル脚本を執筆し、自ら生み出した物語世界の映像化に挑む。
短編「無用の人」は、主人公・聡美が監視員として勤める美術館に届いた謎の「鍵」をきっかけに、ひと月前に孤独死した父との記憶をたどり、家族でさえ知らなかった父の晩年の姿が次第に明かされてゆく人間ドラマ。なんの取り柄もなく、家族からも社会からも見捨てられ、ひとり静かに死んでいった父が“愛したもの”に迫る感動のストーリーだ。優しく芳醇な言葉で綴られた父と娘の物語が、原田自身の手によってどのような映像に生まれ変わるのか、期待が高まる。
「まるで映像を見ているようだった」読者の方々からよく言われます。映像を追いかけるように文章をつづる、そうやっていくつもの物語を書いてきました。そして、いつか自作を自ら映像化してみたいと心ひそかに願っていました。作家になってまもなく20年、ついにその機会が訪れました。私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください。
【作品詳細】
映画『無用の人』
公開時期:2026年
監督・脚本:原田マハ
原作:原田マハ「無用の人」(講談社文庫「あなたは、誰かの大切な人」収録)
配給:ビターズ・エンド