展覧会「遥かなるイタリア 川村清雄と寺崎武男」が、東京の目黒区美術館にて、2025年4月19日(土)から6月8日(日)まで開催される。

イタリアで学んだ画家、川村清雄と寺崎武男

「遥かなるイタリア 川村清雄と寺崎武男」展は、明治時代以降にイタリアで学んだふたりの洋画家、川村清雄(かわむら きよお)と寺崎武男(てらさき たけお)を紹介する展覧会だ。

明治時代にいち早く海外で学んだ川村清雄

江戸時代末の嘉永5年(1852年)に生まれた川村は、明治時代にいち早く海外で学んだ画家であった。交流のあった勝海舟らの斡旋により、明治4年(1871年)にアメリカへ留学。その後、フランスを経由してイタリアに渡り、ヴェネツィアの美術学校で本格的な西洋画を学んでいる。帰国後は、作品を設置する当時の日本の建築空間や環境を意識しつつ、屏風や漆器などに油彩で描く作品を残した。

テンペラやフレスコ、銅版画などを日本に伝えた寺崎武男

一方、明治16年(1883年)に生まれた寺崎は、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、ヴェネツィアに渡った。テンペラ画やフレスコ画、銅版画など、当時の日本ではあまり知られていなかった技法を学び、それらを日本に伝えている。また、ヴァチカンで目にした天正遺欧使節団の壁画に感銘を受けたことから、壁画を研究し、その成果を目黒のカトリック碑文谷教会の壁画、聖徳記念絵画館での制作などに反映した。

川村清雄と寺崎武男の作品が一堂に

川村と寺崎は、ともにイタリアで絵画を学び、帰国後にはその成果を日本の絵画に活かすことを試みつつ、洋画の制作に向きあった。本展では、目黒区美術館の所蔵作品を軸に、ふたりの作品を紹介。川村の作品では、《ベネチア風景》や《村上彦四郎(村上義光 錦御旗奪還図)》など、同館が所蔵するほぼすべての作品を公開する一方、寺崎の作品では、《天正遣欧使節 ヴァチカンへの行列》や《黄帆船図》などを一堂に集めて展示する。

寺崎によるヴェロネーゼ《レヴィ家の饗宴》模写も

また、寺崎が模写した、パオロ・ヴェロネーゼ《レヴィ家の饗宴》も。3年間の修復を経て蘇った姿を、そのプロセスにも光をあてつつ紹介する。

展覧会概要

展覧会「遥かなるイタリア 川村清雄と寺崎武男」
会期：2025年4月19日(土)〜6月8日(日)
会場：目黒区美術館
住所：東京都目黒区目黒2-4-36
開館時間：10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日：月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
観覧料：一般 900円(700円)、高校生・大学生・65歳以上 700円(550円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者および付添者1名は無料
※目黒区在住・在勤・在学者は団体料金(受付で証明書類を要提示。割引の併用不可)

【問い合わせ先】
目黒区美術館(代表)
TEL：03-3714-1201