『救命病棟24時』『白い巨塔 』『海猿』など人気ドラマに出演。映画、TVドラマと活躍の場を広げていく伊藤英明はいま何を考えているのだろうか。
毎回毎回、作品に出合うのは縁だと思っていて。ヒットする、しないも縁。一つひとつの作品がターニングポイント。
その中で大切にしているのは、みんなで作っているという感覚。監督がいて、脚本家がいて、照明部、録音部、ヘアメイク…っていろんなスタッフがいて、みんな少しでも作品をよくしようとがんばっている。
場数をふまないとその大切さはわかっていかないんですけど、場数をふむことで、スタッフの頑張りやキャストの思いが伝わってきて。その思いを共有して、一つの作品に向かう。これはどの作品でもぶれずに一貫して大切にしています。
というのも、一生懸命やっていない人がいないんですよ。みんなが少しでもいいものつくろうと努力している場所なので。仕事だからやらなきゃいけないっていうことはあまりなく、常に楽しみながら、みんながいい環境でいることを考えています。
演技はまだ分からないですよ、何がいいのか悪いのか。どの作品に携わっても、もうちょっとこうできたんじゃないか、もっと努力できたんじゃないかって終わった後には思います。それでまた次の作品に向かっていく。
元々、俳優になりたいと思ってなったわけじゃないんです。岐阜育ちだったから、そういう仕事は知ってはいたんですが、まさか自分がこういう仕事に携われるなんて思ってもいませんでした。
出会う人がよかったのか、運がよくて「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリをとって、事務所に入りました。でも、3か月くらいで辞めちゃいました。
その後、1年くらい個人事務所に入って「阿部純大(あべ じゅんた)」という全然違う名前で活動してました。その当時は仕事もなくて、でも給料を頂いて。小さい頃から何でも自分でやりたいタイプだったので、その環境が嫌になって辞めて、3年くらい芸能活動を休止しました。たまたま今の事務所の関係者にスカウトされて再スタートしました。
自分じゃない人の人生になれる。これが役者の醍醐味で、楽しさです。
ボクサーの役が来たら、3か月かけて練習してボクサーになる。それが世界チャンピオンを獲る役であれば、実際にはチャンピオンにはなれないし、同等にはなれないけど、同じような景色を垣間見れる。その瞬間を体現できる。そこが面白いです。
自分ひとりでやっているわけではないから、人に迷惑をかけない、そして、優しくあること。これが一番大切です。うまく演じようという技術は、爆発にもよるし、出会う人にもよるだろうから。
【作品情報】
『テラフォーマーズ』
公開日:2016年4月29日(金)
監督:三池崇史
出演:伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、ケイン・コスギ、菊地凛子、加藤雅也、小池栄子、篠田麻里子、滝藤賢一、太田莉菜、福島リラ、小栗旬
原作:「テラフォーマーズ」作:貴家悠/画:橘賢一(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
(C)貴家悠・橘賢一/集英社 (C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
【ストーリー】
21世紀、人口爆発を迎えた人類が選択した火星移住計画。人類はコケと<ある生物>を送ることで、火星を地球化させようとした。それから500年。計画の仕上げのために火星へ送り込まれた隊員15人のミッションは、その生物の駆除。簡単な仕事、高額なギャラに参加を決めたメンバーたちだが、小町小吉(伊藤英明)だけは勝手に志願した幼馴染の奈々緒(武井咲)に付き合い、火星行きを決意していた。ところが火星に着くと、<ある生物>は人型に異常進化した驚愕生物=テラフォーマーへと姿を変え、その凶暴性で隊員たちに次々と襲いかかる。
絶体絶命な状況だが、彼らの身体にはある秘策が仕込まれていた。果たして人間たちは自ら生み出してしまった想定外の生物に打ち勝ち、生きて地球へ帰ることができるのか…。