六本木の街を舞台とした一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト 2017」が、2017年9月30日(土)午前10時から10月1日(日)の18時まで開催される。
六本木アートナイト2017年度のテーマは「未来ノマツリ」。「祭〈マツリ〉」という言葉から連想されるのは、「感謝や祈り、慰霊のために神仏および祖先をまつる行為」。そう定義されているが、最近はフェスやアートフェアも祭という認識が広がってきた。それらに共通するのは、”多くの人がある末こと””非日常的な体験”の共有、そして文化を未来へ伝えること。
「六本木アートナイト 2017」では、アジアを中心とした世界中からアートやパフォーマンスが集まり、コミュニケーション・プラットフォームとなることが目指される。
今年度のメインアーティストには蜷川実花が起用された。フォトグラファー、映画監督、ファッションブランドなど幅広いジャンルで活躍する蜷川実花が、六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3会場に鮮やかで非日常的な作品を展開し、各エリアをつなぐように六本木の街を広域にわたって一変させる。
さらに「六本木アートナイト」では、日本だけではなく海外で活躍する気鋭のアーティストも集結。今年度は、初の試みとなるプロジェクト「東南アジア・プロジェクト」が始動する。現代アートに沸く東南アジアの注目アーティストや、東南アジアにゆかりのある日本人アーティストを迎え、協働しながら“祭”をテーマにした作品を制作・発表するというプロジェクトだ。
参加アーティストには、タイのナウィン・ラワンチャイクン、フィリピン・アンゴノのアーティスト集団「ネオ・アンゴノ・アーティスト・コレクティブ」らが決定している。
「六本木アートナイト」の魅力は、街なかの店やストリート、公園などにアート作品が点在して登場することで、普段とは違った街の表情を楽しめることにもある。期間中いつでも見られるインスタレーション、ライブ感覚で楽しめるパフォーマンス、アーティストと参加者が交流できるミーティングの3つに分けて紹介する。
街なかインスタレーションとして、六本木の名物カフェ「アマンド」のウィンドウに、蜷川実花のヴィジュアルが出現。また、六本木交差点のランドマーク「時計塔」は、ポップなバルーンアートを展開している山本洋子(バルーンランド)によってデコレーションされる。芋洗いの坂駐車場には、アジアのアーティストによる映像作品が登場。ほかにも、六本木ヒルズウエストウォークなどに、多種多様なメディアを駆使したインスタレーション作品が展開される。
コアタイムの幕開けを飾るのは、蜷川実花が演出を手掛けるスペシャルパフォーマンス《TOKYO道中》だ。自らが制作したメインステージのある六本木ヒルズアリーナを舞台に繰り広げられるパフォーマンスは必見。六本木ヒルズアリーナではほかに、国内外で高い評価を得るダンサー・黒田育世らによるコンテンポラリーダンスの数々を見ることができる。
街なかミーティングは、アーティストと参加者が交流することで作り上げられるプログラムだ。蜷川実花は、「六本木アートナイト」実行委員長の南條史生とともに、アーティストの発想の秘密や制作意図などについてトーク。また、早朝5時15分からは、日本フィルハーモニー交響楽団が生演奏するクラシック音楽に合わせて、参加者が身体を動かすラジオ体操が行われる。
六本木には美術館が多くあるため、「六本木アートナイト」のプログラムを楽しみながら、開催中の展覧会に足を運ぶこともできる。アートナイトの期間中に合わせて開館時間を延長するところもあるので、この機会に気になるアート展をチェックしてみては。
「六本木アートナイト」のメイン会場、六本木ヒルズにある森美術館では、アジアの現代美術を紹介する史上最大規模の展覧会「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」が、国立新美術館と2館同時で開催中。9月30日(土)から翌朝6:00まではオールナイトで開館されるので、深夜の美術館を訪ねるという滅多にない経験ができる。また、「サンシャワー」展に関するレクチャーも企画されている。
ミッドタウンにほど近い国立新美術館では、森美術館と2館同時開催の「サンシャワー」展に加え、「安藤忠雄展―挑戦―」展も開催中だ。国立新美術館は9月30日(土)に22:00まで延長して開館する。
森アーツセンターギャラリーでは「週刊少年ジャンプ展」が開催中。9月30日(土)は22:00まで延長して開館する。