映画『美しい星』が、2017年5月26日(金)より全国の劇場で公開される。
原作の「美しい星」は、三島由紀夫が1962年に発表した異色のSF小説。刊行当時、「平凡な家族が、ある日突然“宇宙人”に覚醒する」という前衛的過ぎる設定で世間を大いに戸惑わせたが、その後右肩上がりに熱狂的ファンを獲得していき、2016年9月時点で58刷495,000部というロングセラーを記録している作品だ。
故・大島渚監督も映画化を希望したこの小説を映画化するのは、『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞・最優秀作品賞を受賞した監督・吉田大八。「映画を撮り初める前から『美しい星』を映画にしたいと思っていました。映画監督になりたいというより、『美しい星』を監督したいと思っていました」と熱を込めて語る吉田監督は、本作で映画の舞台を現代に置き換えるという大胆不敵な脚色に挑む。
主役の“当たらない”ので有名なお天気キャスター・大杉重一郎(火星人)役を演じるのは、リリー・フランキー。またその長男でフリーターの一雄(水星人)役を亀梨和也、長女で美貌の女子大学生・暁子(金星人)役を橋本愛、専業主婦の妻・伊余子(地球人)役を中嶋朋子がそれぞれ演じる。
そして、大杉一家に近づく謎の存在・黒木克己役を務めるが佐々木蔵之介。ある日フリーターの一雄と出会い、秘書にスカウトすることで大杉家との距離を縮めていく黒木。果たして彼は敵か味方か?目的は何なのか?いずれにしても物語の鍵を握る人物となりそうだ。
ある日突然、自分たちは宇宙人であると覚醒した平凡な家族。彼らはその手に「美しい星・地球」を救う使命があると信じ、それぞれに奮闘しはじめる。
また劇中歌には平沢進の名曲「金星」が提供される。80年代を席巻したテクノポップバンドP-MODELのボーカルであった平沢進がソロ転向時に発表したターニングポイント的楽曲である「金星」。リリー・フランキーもリアルタイムで聞いていたという才能あふれる平沢の楽曲が本作をいかに盛り上げるかにも注目したい。
【作品情報】
映画『美しい星』
公開時期:2017年5月26日(金) 全国ロードショー
キャスト:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介
原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
監督:吉田大八
脚本:吉田大八、甲斐聖太郎
音楽:渡邊琢磨
© 2017「美しい星」製作委員会
【あらすじ】
大杉重一郎は予報が“当たらない”ことで有名なテレビ気象予報士。悪くない仕事、悪くない暮らし、悪くない家族関係(妻・息子・娘)、そんなある日、重一郎はあるものと遭遇する。それは空飛ぶ円盤!?「自分は火星人。世界を救うためにこのホシに遣わされたのだ」重一郎のなかに“火星人”が覚醒する。覚醒は止まらない。息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々目覚める。それぞれの母星から使命を受け取った家族はそれぞれのやり方で世界を救おうと奮闘しだすが、やがて様々な騒動に巻き込まれ、傷ついていく。