コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)が2017-18年秋冬コレクションを2017年1月20日(金)に発表した。
今シーズンは、終始一貫していたジャケットが主役と言っても過言ではないだろう。ひとくちにジャケットといっても絶妙な足し引きによって解体と構築がなされ、ほとんどがアバンギャルドなフォルム。ヨーク下や前脇のないものはヘムが切りっぱなしになっていて、肩やラペルのテーラリングの美しさを覆すように不揃い。はたまた、モーニングコートやメスジャケットといった形違いのジャケットを左右前後で組み合わせたものは、アシンメトリーに“きちんと”整理されている。
その上に飾られた象徴的なシリコン素材のおもちゃは、恐竜、車、機関車などのあらゆる形状とポップなカラーであしらわれた。トップスからボトムスへのランダムな配置、さらにそれは足元にまで及ぶ。ナイキ エア フォース(NIKE AIR FORCE)のカスタムによるスニーカーはアッパー部分に両足ひとつずつのおもちゃが飾られている。
もうひとつの象徴的なモチーフとしてコートの背中に登場したスカルが挙げられるが、これはアーティスト、スコット・ホーブによるものだ。ホイップクリームを並べて描いたような独特のスイートさが漂っている。可愛らしさも持ち合わせた毒のあるデザインは、先述したような個性的なジャケットにとてもマッチしている。
メインカラーである黒の中、ラメ感を入れてみたり、ボリュームたっぷりの花柄ジャカード、キルティング刺繍などをパズルピースのようにワードローブに当てはめたりしている。そのなかで異彩を放つ、アーティストCandida Alvaresによるピンクやグリーンの抽象的なグラフィックは、油絵のように随所に立体的ポイントがあり、まるで絵画を着るといった感覚だ。
テーマは「boyhood」。遊び心たっぷりのおもちゃはもちろん、子供のころ目にしたものをとりとめもなくかき集めて構築していく洋服は、前衛的ではあるがどこか懐かしささえ感じられた。