エリミネイター(ELIMINATOR)は、『英国的であること』をコンセプトに掲げ、ラフ シモンズやミュグレー、クリストファー ケインといった世界から厳選したブランドを扱う東京・代官山にあるセレクトショップ。英国人的な発想とファッションを信念の一つとして捉えるスタンスを重んじつつ、最先端のコーディネートアイディアで独自のスタイリングを提案している。3Fのアートスペースは、2005年にデザイナーのキム・ジョーンズとエリミネイターがクリエイティブを表現する場として開設。現代の事象を大きく映し出すアートスペースを目指すという考えからキム・ジョーンズ本人が「EDGE OF THE LOOKING GLASS(虫眼鏡の縁)」と命名し、現在もアートスペースとして様々なクリエイターやアーティストの作品を紹介している。
そんなエリミネイターが、ロンドンを拠点に活躍するミキ フカイ(Miki Fukai)の古着を用いたリビルドコレクションの発表を記念したインスタレーション『THE WORKS』を、2011年12月3日(土)から2012年2月29日(水)まで開催する。2012年春夏コレクションの新作に加え、アーカイブ作品が展示されている。
ミキ フカイは、ナチュラルでありながらつねにひとひねりの工夫をさりげなくほどこしたデイリーウェアを提案し、幅広い年代の女性たちに受け入れられているデザイナー。アメリカの人気ドラマ『Sex and the City』でサラ・ジェシカ・パーカーが着用したことでも知られている。
今回展示されているリビルドコレクションのハンドメイドによる丁寧な仕事の痕跡を一点一点見るたび、大量生産品にはないどこかホッとするような特別感を感じる。デザイナーの深井は自身のクリエーションについて、「ジーンズのリメイク(ボトムスのみ)以外の服に関して、自分の作っているものがリメイクと思われてしまう事に違和感を感じる」と語る。それは、古着の一部を解いて作り直すわけではなく、ほとんどは全て解体し改めて裁断し直すため、通常の服を作る以上に時間がかかるからだ。彼女は、古着はあくまでも素材として使っているに過ぎないのだ。
そこまでして手間をかけて服を作る理由は、古着の持つインディヴィジュアル性にある。自分の手元に来るまでに色々な歴史を辿って生まれた古着の素材感や風合いは、決して人工的な加工で再現できるものではない。古着と向かい合い、その個性を生かしながら自分の手を加えることで、さらに新しいものに生まれ変わらせてゆく。そして他の人の手に渡り、また新たな歴史を刻んで成長していく魅力が、深井の創作意欲を掻き立てている。
このインスタレーションで、単に見た目の美しさを着用するだけではない、ミキ フカイのデザインフィロソフィーをぜひ体感してほしい。
【イベント詳細】
THE WORKS
日時:2011年12月3日(土)〜2012年2月29日(水) 12:00〜20:00
※年内は12月29日(木)まで、年始は1月3日(火)より営業
場所:ELIMINATOR 3F EDGE OF THE LOOKING GLASS by Kim Jones ART SPACE
住所:〒150-0034 東京都渋谷区代官山町10-1 ELIMINATOR 3F
TEL:03-3464-8144