エルメス(HERMÈS)は、「グリーンランド」 中谷芙二子+宇吉郎展を、銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催。会期は、2017年12月22日(金)から2018年3月4日(日)まで。
中谷宇吉郎は雪氷学の基礎を築いた、日本を代表する実験物理学者。1936年には世界で初めて人工的に雪の結晶をつくり出した。「雪は天から送られた手紙である」、「氷のことは氷に聞かないと分からない」などユーモラスな言葉の数々を残したことでも知られる。科学の真理だけでなく、雄大な自然と溶け合う時の心身の感動や、対象に寄り添う自然科学研究の厳しさ、尊さを伝える彼の姿勢は、娘・芙二子に強く影響を与え続けている。
中谷芙二子は、1966年にニューヨークにて芸術と科学の協働を理念とした実験グループ「E.A.T.(Experiments in Art and Technology)」に参加。水を用いた人工霧による「霧の彫刻」は大阪万博で発表した彼女の代表作であり、「霧のアーティスト」として名をとどろかせた。手がけた彫刻、公園、インスタレーションやパフォーマンスは世界各地で80作品を越える国際的アーティストだ。建築・音楽・ダンス・光など他ジャンルのアーティストと共同制作も行う。
銀座メゾンエルメスのガラスブロックを氷の大地に見立て、室内での霧の実験に挑むのは中谷芙二子の「Glacial Fogfall」。その新作と共に、二人のチャレンジ精神が交錯する作品の数々が展示される。
タイトルに掲げたのは、晩年の宇吉郎が雪氷研究に打ち込んだ地「グリーンランド」。父娘各々が時を隔ててその地を撮影した写真では、世代を跨ぐ対話が楽しめる。
娘がパリとマドリードで絵画を学び作家表現の基盤を築きつつある頃、父は北極圏にいた。芙二子が当時描いた太陽や雲といった自然科学的なモチーフは、場所を隔てて宇吉郎の感性と共鳴する。
常に変化する自然や環境を観察・記録・再生する過程そのものを、大きな営みとして捉えた芙二子と宇吉郎。展覧会を通じて、才能あふれる二人の感性の響き合いを見出す。
【詳細】
「グリーンランド」 中谷芙二子+宇吉郎展
会期:2017年12月22日(金)~2018年3月4日(日)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座 5-4-1 8階
休館日:不定休 ※エルメス銀座店の営業時間に準ずる
開館時間:月〜土曜 11:00〜20:00(最終入場19:30)、日曜日 11:00〜19:00 (最終入場18:30)
入場料:入場無料
【問い合わせ先】
銀座メゾンエルメス フォーラム
TEL:03-3569-3300